昨年末、日本で行われたクラブワールドカップで初めてオンラインテストされたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)。

鹿島アントラーズとアトレティコ・ナシオナルの試合においては、世界で初めてビデオ判定によるペナルティキックが与えられた。

その一方で、レアル・マドリー対クラブ・アメリカの試合においては、クリスティアーノ・ロナウドのシュートの場面で試合が突然中断されてしまい、論議を呼んだ。これは後にボタンを押し間違えた「人的ミス」と発表されている。

今年は各国でこれらの運用が開始され、さらに実証実験が進められる。FIFAはこれを早急に実践で使っていく意思を示しており、セリエAやブンデスリーガでは早ければ来季からスタートされる。

しかし、筆者は言える。現在のVARは必ず失敗し、判定への異議が止むことはないだろうと。

なぜそう断言できるのか? それは、「権限が独立していないから」である。

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