CB：三浦弦太（ガンバ大阪）

筆者が、鹿島アントラーズの昌子源と並んで「今すぐにでもA代表のDFラインに置いてほしい」と熱く推す逸材が三浦弦太だ。

予てよりその非凡な能力については、度々取上げてきたが、今回の招集は「呼ばれるべくして呼ばれた」と断言しても差し支えないだろう。

そして、彼に最も期待したいことは「DFラインからの展開力」だ。

不動のセンターバックコンビ、吉田麻也と（今回は落選したが…）森重真人のフィード能力は及第点以上だが、彼らは局面を打開するようなパスはあまり得意としていない。それを実現できるキック精度やキック力は持ち合わせているのかもしれないが、意識なのか安定感なのか明らかに何かが足りない印象だ。そして、共に肝心なところでのキックミスも目立つのも、気になるところである。

だが、三浦にはこれらの不安が一切ない。

一部では、ドイツ代表のマッツ・フメルスをあやかって「日本のフメルス」とも呼ばれているようだが、そのキック能力は本家顔負けのレベルだ。

自分からみて最も遠いところに位置する味方の動きもしっかりと把握でき、パス先の選定、そして、そこからフィードへ移る動きもこの上なくスムーズ。キックの質も良く、ボールの軌道も味方が受けやすい放物線を描いており、おそらくガンバ大阪のレシーバー陣も助けられていることだろう。

もちろん、J1でレギュラーポジションを掴んだばかりの若武者を思い切って起用することはリスクがある。しかし、それでもハリルホジッチには英断して欲しいと切に願う。

彼が日本代表の戦力として計算できるようになれば、間違いなくその戦い方にも変化が起こるはずだ。