この10年あまり世界最高の選手に君臨するバルセロナのリオネル・メッシ。
彼を最初に目にした時、相手選手は一体どうのような感情を抱くのか…。それを、元レアル・マドリーMFエステバン・グラネロが教えてくれた。
現在はエスパニョールに所属するグラネロは、マドリーのカンテラで育った選手。その当時、バルサのカンテラにいたメッシと初めて対峙した話を、『EL PAÍS』に明かした。
エステバン・グラネロ
「僕らは1987年生まれで、15歳の時から知っているんだ。
カデテの大会でバルサと同じホテルになった。ユース代表で同僚だったピケ、マルク・バリエンテ、セスクら(バルサの選手たち)とは仲良しだった。
ホテルの周りでピケと遭遇した。当時は僕らが常に勝っていたんだけど、ピケは僕を捕まえると『今年は俺達が勝つ』と言ったんだ。
『ふざけるなよ』と返すと、彼は『なぜなら俺達は凄いのを手に入れたからね』と言ったのさ。
『誰?』って聞くと、彼はプールを指差した。そこには、とてもとても小さい子がいた。
その子はプールの端っこに座り、水に足を入れて考え事をしていた。
ピケはイタズラ好きだ、いつもね。なので『彼は(ウソをついて)僕を困惑させようとしている』と思った。それがメッシを初めて見た時だった」
「(試合で)彼は僕らをボコボコにした。3-0で彼らが勝った。
(メッシは)スペクタクルだった。とても小さいのに岩のように強かった。
だが、狂気的だったのは、彼のボールの運び方だった。獣のようで、阻害するのは不可能だったよ。
ショックだったし、どうなるのか恐ろしかった。
15年が経った今ピッチで遭遇すると思うんだ。『クソ、まだいるのかって』」
初めて目にしたメッシはただの小柄な子供で、ピケが冗談を言っているかと思ったほどだったという。だが、実際に対戦するとすさまじかったということのようだ。