「日本のホーム感もカタールのヒール感もない…」。

少し意外でしたが、冷静に考えれば、それも頷けます。

カタールはグループリーグでサウジアラビアを撃破して3連勝で首位通過したチーム。

さらにワールドカップ常連国の韓国、ホスト国UAEを完全アウェーの環境の中で見事破り、決勝の相手は、アジアで唯一ワールドカップで決勝トーナメントに進出した日本です。

この流れは、まさに主人公のためのストーリーなんですよね。周囲が自ずと応援ムードになるのもわかる気がします。

悔しいですが、我らの日本は「主人公」ではなく「ラスボス」の役回りになっていました。

そこにきて、あのオーバーヘッドでの先制ゴール。完全に空気を持っていかれたと言わざるを得ません。

さらに印象的だったことは、カタールがいい意味で「中東的ではなくなっている」という点です。

守備は最後の最後まで統率が取れ、なによりとてもフェアで、試合終了間際でも時間稼ぎをほとんどしませんでした。

2トップを軸とした戦術面を含め、今大会のベストチーム、優勝にふさわしいチームだったと言えるのではないでしょうか。

他の中東勢もそうですが、ただ引いて守るのではなく時間帯によっては前からプレスをかけたりと「挑戦する意思」が感じられました。

サウジアラビアもまだゴール前の崩しの部分に課題はあれど、ポゼッションを徹底したりと数年前に日本代表が取り組んでいたような課題を取り組んでいるように見えましたし、今大会は、アジア全体のレベルの向上が顕著に感じられた大会になったように思います。

まぁ、僕はスタジアムで「冷静さゼロ」の状態で見ているので、堂々と評論できる立場ではありませんが(笑)