――Jクラブでもすでにキャンプを行っているところはホテルや練習場がある程度固まっていると思います。新たに希望するクラブに対してはどんなやり取りをするんですか?

まずグラウンド、そしてそこにアクセスしやすく、ミーティングを行う宴会場など必要な設備が整ったホテルをいくつかピックアップします。やはりどこでもいいというわけではないので、視察に来たタイミングでグラウンドとホテルのセットを何パターンかアテンドさせていただいてという感じですね。

あとはクラブの予算との兼ね合いもありますし、ホテルだけでなくバスなども手配できるかどうかで最終的に決まります。

――プロサッカークラブが練習するようなグラウンドは沖縄にどのくらいあります?

17施設くらいですかね。どれも冬芝でオーバーシードして、キャンプの時期には青々とした芝に整えられたピッチです。沖縄にはだいたい1市町村に1つグラウンドがあるので、あとはそこの芝を整備して受け入れるかどうかの判断になります。

――トレーニングマッチの会場はどうやって決めるのでしょう?

マッチメイクのあと、どちらの会場で試合するかはチーム間に任せています。

移動してもらったほうのチーム、要するにホーム側のチームが審判代を負担するケースはよくありますね。カテゴリーの下のチームが上のチームのほうへ移動するといった“暗黙の了解”もあります(笑)。

――そうなんですね(笑)。海外のクラブは調整する部分もやはり多いです?

イレギュラーの多かった今年のキャンプで言うと、中韓以外で初めてブラジルのチームが来たということと、韓国のチームが日韓情勢などもあり参加を見合わせました。

中国に関しては、新型コロナウイルスの影響で3チーム中1チームが来られませんでした。

また、無事に来沖してキャンプを実施したチームも、今度は帰ることができなくなってしまって…。2チームとも滞在を延長して、ビザが切れるギリギリの今日(※2月26日)ようやく帰りました。

――変わった要望などはありましたか?

要望の種類もいろいろありますが、たとえばどこのチームも海外の選手が在籍しているので、食事の部分は宗教的な面も含め要望がありましたね。1人だけ別メニューをホテルに用意してほしいとか、スイカジュースの要望があったりとか(笑)。

あと要望というよりは、今回Jリーグは試合が延期になりましたけど、中国はもっと早い段階で延期が決定していました。その影響で中国のチームは練習試合が全然組めなくて苦労していたのですが、あるチームは宮崎でキャンプしているJクラブを沖縄に呼びましたね。飛行機代を払って。