日本サッカー界に、新しい風が吹き込んでいる。

昨今のコロナ禍では、財政的に苦労しているサッカークラブが少なくない。JFLや地域リーグともなれば尚更だ。

そうしたなか、ブロックチェーン技術を利用したNFT事業やトークン発行型クラウドファンディング2.0として、「FiNANCiE」が新たな可能性の光を照らしている。

一般的なクラウドファンディングなどのように「お金を出して終わり」ではない、クラブとファン・サポーターの新しい関係性は世界的にも注目されており、日本ではFiNANCiEがここ一年で一気に浸透してきた。

また、財政的な助けになるだけでなく、クラブの成長の“加速装置”となるような効果も見えてきている。この冬、稲本潤一や今野泰幸など大型補強を行った関東1部リーグの南葛SCは特に印象深い。

そんなFiNANCiEを提供する株式フィナンシェが、サッカーの大会に昨年末からかかわりはじめている。しかも、優勝トロフィーをNFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)として贈呈するという、前代未聞な取り組みも!

そこにはどんな狙いや意図があるのか。株式会社フィナンシェのCOO、田中隆一氏に色々聞いてみた。

(取材日:2022年3月2日)

「FiNANCiE」を活用するサッカークラブが増えたワケ

――まず、堀江貴文氏が経営に携わっていることで知られるTOKYO2020 FCが本日3月2日より「FiNANCiE」にてクラブトークンの新規発行・販売を開始しました。どんな経緯があったのでしょう?

きっかけは“堀江さんつながり”です。

FiNANCiEでは、堀江さんが設立にかかわったプロ野球チームの福岡北九州フェニックス、3x3バスケットボールチームのHIU ZEROCKETS.EXEがすでにクラブトークンを発行していました。

そのご縁もあって今回、TOKYO2020 FCのチームの方をご紹介いただき、実際にお話させていただいたところ「一緒にやりましょう」と。

紹介いただいてから1ヵ月弱くらいでリリースに至った形になります。