今月20日からカタールで開催されるFIFAワールドカップ。

この大会でも注目されるベルギー代表のロメル・ルカクや、前回王者フランス代表のプレスネル・キンペンベ、ステーヴ・マンダンダ、クリストフェル・エンクンクらは、皆アフリカのコンゴ民主共和国(DRコンゴ)にルーツを持つ選手として知られている。

そこでQolyは、コンゴ出身のノルウェー人Jリーガー、徳島ヴォルティスFWムシャガ・バケンガを直撃!

インタビュー後編となる今回は、昨年からプレーする徳島ヴォルティス、叔父で2018年にノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲさんや祖国コンゴのことなどを中心に聞いた。記事ではその一部を紹介する。

(取材日:2022年10月20日)

――(前略)バケンガ選手の叔父にあたると思うのですが、デニ・ムクウェゲさんが2018年にノーベル平和賞を受賞されました。彼はバケンガ選手にとってどんな存在ですか?

子供の頃からのお手本ですね。彼は私の人生において重要な人物です。

本当に誇らしく素晴らしい人物だと思います。人生で彼の半分くらいのことができれば幸せなことです。

――バケンガ選手もコンゴに学校を建設されたりしています。祖国であるコンゴへの想いは?

コンゴを愛しています。私のルーツはそこにあって、家族もそこから来ましたから。私の価値観というのもそこに基づいています。

コンゴは私にとって本当の家のようなものです。ただ、本来コンゴというのはとても裕福な国ですが、現実には最も貧しい国の一つになっています。

悪いリーダーシップや悪い大統領、腐敗のせいで苦労しています。コンゴの人たちは本来もっと良い生活に値するはずなのに。

でもうまくいけば変えることができます。だから私はできる限りのことをしようとしています。

コンゴへ行くたびに思うんです。家もない、親もいない、何もない子供たちを見て、自分はどれほど幸運だったのかをね。私も内戦の時にはコンゴにいたので、ほんのちょっと家族に運がなければ自分がそうなっていたかもしれません。

私は幸運でした。だから彼らを助けたいんです。

運に恵まれ、良い生活を送ることができて、生きてお金を稼ぐことができています。そんな私が彼らを助けない理由はないですし、でなければその幸運にも意味がありません。

この幸運は、私が他の人を助けるためのものだと思います。