献身的な姿勢でチームに芯を通す背番号9

リーグ戦18試合を消化し、4位と上位につけるV・ファーレン長崎。今季のここまでを振り返ると、浮き沈みの激しいシーズンとなっている。

開幕4戦勝ちなし(2敗2分)と苦しみ21位に沈むなか、第5節のロアッソ熊本戦で今季初勝利をゲット。すると熊本戦から3連勝を記録し、7位に浮上する。第8節のザスパクサツ群馬戦で黒星を喫したが、第9節のヴァンフォーレ甲府戦から怒涛の5連勝。順位を一気に2位まで上昇させる。

しかし、第14節の東京ヴェルディ戦を1-2で落とすと、その後は1敗2分と再びトンネルに入ってしまう。第18節のジュビロ磐田戦を劇的な展開で制し、5試合ぶりの白星を手にしたのだった。

成績が安定しない一面があるとはいえ、ツボにハマった時の爆発力は凄まじい。特に5連勝を飾った第9~13節では、そのうちの3試合で4得点を記録。快調にゴールと勝ち点を積み重ねた。

5連勝のチームでひと際輝いたのが、この期間だけで4得点を決めたフアンマ・デルガドだ。2017および18シーズンに得点源として活躍したスペイン人ストライカーは、大宮アルディージャとアビスパ福岡でのプレーを経て、5シーズンぶりに復帰。4月度のリーグ月間MVPに輝くなど、エースとしてチームを牽引している。

リーグ戦14試合でチームトップの8ゴールを挙げている通り、得点感覚が優れているのはもちろんだ。コースを突く正確なシュート、ペナルティーエリア内でクロスに合わせる技術、左右両足とヘディングでネットを揺らせる得点パターンの豊富さが光る。

だが、背番号9の魅力は決してゴールだけではない。ポストプレーや前線からの守備など幅広いタスクをこなし、献身的な姿勢でチームのために奮闘する。J1昇格を目指すクラブに芯を通す存在であり、フアンマ不在時にその穴の大きさを感じるのは、無理もないだろう。