[天皇杯ラウンド8、J2ジェフユナイテッド千葉0-3J1京都サンガF.C.、18日、千葉・フクダ電子アリーナ]
10年ぶりの天皇杯ベスト4は遠かった。千葉は京都と天皇杯ラウンド8で激突。長らくJ2でともに戦ってきた両者の間には歴然とした差が生まれていた。
何もかもがうまくいかない試合だった。GK藤田和輝は報道陣に「ひどい試合でしたよね」と訴えかけた。
「試合前は"勝ちに行くぞ”という雰囲気があったと思うんです。でもそれがプレーに出ていたかというと、勝てるサッカーをしていなかったと思います」と吐露した。
前節のリーグ戦からスタメンを全選手入れ替えた千葉。得点ランキング2位でリーグ戦16得点の10番FW小森飛絢をメンバー外にするなど、中2日で行われるJ2第32節レノファ山口FC戦を見据えた人選だった。それでも選手たちにとっては貴重なアピールのチャンスであり、今季の千葉には「誰が出ても同じサッカーができる」という自信が選手たちにはあった。
J1復帰に向けて佳境を迎えているリーグ戦を前に、3度目のJ1食いを成し遂げることで自分たちにも力があると示したかったが、その自信は打ち砕かれてしまった。
「リーグ戦でなかなか出られない選手たちがチャンスをもらって、パワーを発揮するゲームが天皇杯では続いていた中で、きょうはまったく力を出せていなかった」と背番号1は不甲斐なさを口にした。
千葉は前半11分に先制点を許した。京都FW豊川雄太がFWマルコ・トゥーリオとピッチを広く使ったワンツーで裏に抜けると、最後は1対1の場面で落ち着いて右足で流し込んだ。ゴール前に張り付かず、飛び出して止めるプレーが武器だと話す藤田は、このシーンを「誘われた」と振り返った。
「もう少し駆け引きできたと思います。キワの判断はレベルが上がるにつれて、もっと精度を上げていく必要がありますし、今季は似たような失点シーンが多い。きょうも飛び出すべきか少し迷ってしまった部分があります。練習の中でもう少し止まってみるとか、感覚の部分を磨いていきたいです」とJ1で戦うライバルとの差を痛感した。
1失点目を皮切りに、千葉は主導権を完全に握られた。ハーフタイム後も目立った修正はなく、好調京都のサンドバック状態。目の前で行われるテンポの速いパス交換に手も足も出せず、守備に奮闘した選手たちはカウンターでも力を発揮できていなかった。
4-4-2の右サイドハーフで先発したFW高木俊幸は「個人が足元でボールを収めることで精いっぱい。基礎的な”止める”と”蹴る”の差を感じました」と現実を直視した。