K-POP業界がワールドカップアジア最終予選の韓国代表対イラク代表の試合結果に安堵した?

その理由は「K-POP」VS「サッカーのサポーター」の対立だ。

ソウルワールドカップ競技場はK-POPアイドルの聖地

『AJP』は今年3月、ソウルワールドカップ競技場がK-POPアイドル(K-POPスター)たちにとって“夢の舞台”になっていると報じた。

45,000人収容のこのスタジアムでのライブは絶大な人気と動員力を持たないと実施できない。

「江南スタイル」で知られるラッパーのPSYが、2013年にこの競技場で単独コンサートを開催した。その後、2016年には象徴的な男性グループBIGBANG、2017年には歌手のG-DRAGONがこの会場で単独コンサートを開催し成功を収めた。

9月21日と22日にIUがソウルワールドカップ競技場のステージに立った。

30歳の彼女は、韓国のエンターテインメント界で最も人気のある女性ソロアーティストの一人。彼女は3月初旬にワールドツアー「HER」に乗り出し、故郷のソウルのほか、ロサンゼルス、ベルリン、ジャカルタなど18都市でファンと交流することになっていた。

しかし、大きなスタジアムでのライブは芝生のコンディションが悪くなるとして、ワールドカップ予選期間中にIUのライブ開催があることは、サッカーのサポーター間で指摘されていた。

実は、韓国のスタジアムの芝生は度々問題になっている。その理由はもちろんK-POPだけではない。今年の夏、日本だけでなく韓国でも猛暑が続いたことで芝生の生育が悪かった、などとも言われている。

ただ、本当のところはよくわからず、K-POPへ批判の目が向けられているといった形だろうか。

ソウルワールドカップ競技場と芝生問題

事実、韓国サッカー界ではどの競技場でも「芝」について話題が集まっていて、今やどの選手や監督も芝についてコメントをするという事態になっているからだ。

9月には、ソン・フンミンですら「ワールドカップ予選でアウェーの方がピッチコンディションが良い」と『スポーツ朝鮮』にコメント。ホームのソウルワールドカップ競技場で開催されたパレスチナ戦で0-0と結果が残せなかった一方で、オマーンとのアウェーゲームは勝利。そうなった理由の1つは芝生なのかもしれない。

実は、ソウルワールドカップ競技場は、ソウル施設公団が、2021年に10億ウォン(およそ1.1億円)を投資して芝を新調している。天然芝(95%)と人工芝(5%)を混ぜたハイブリッド芝という力の入れようだったのだが…。

今月、韓国代表がイラク代表と戦ったのは「ソウルワールドカップ競技場」ではなく「龍仁弥勒スタジアム」。その理由も芝だ。9月の試合を受けて会場が変更されたのだ。

龍仁は「ヨンインシ」、弥勒は「ミル」と読む。2018年に開場し、女子の韓国代表チームに使われてきたが、長らくホームスタジアムとして使うチームはなかった

2024年夏より水原サムスンブルーウイングスが本拠地改装の間「借りる」形になった。そして、光州FCのAFCチャンピオンズリーグエリートでもホームとして使用された。

光州FCのホームである光州サッカー専用球場は、代表チームでも多く使用されるスタジアムであったが、芝生が剥げて土が見えているという指摘を多くされていた。

光州FCと9月にACLで戦ったJリーグ横浜F・マリノスのジョン・ハッチンソン監督は「芝に問題があった」と指摘していた。

さすがにスタジアム変更までして選んだ「龍仁弥勒スタジアム」のピッチコンディションは、イラク戦を見る限りは良かったと言ってよいだろう。映像ではもちろん写真でも綺麗な芝生が確認できる。