かつてエスパニョールやスタッド・ランスなどでプレーした経験を持つコンゴ代表FWティエヴィ・ビフマは、「クラブ名を間違って契約してしまった」と告白した。
ビフマは昨季ギリシャリーグのAEキフィシアというクラブでプレーしていたが、夏に契約満了で退団。フリーエージェントで移籍先を探すことになった。
トルコに移籍できる可能性はあったものの妻がそれを嫌がったため、「クリスティアーノ・ロナウドと対戦したい」と考えてアル・ナスルが出場するAFCチャンピオンズリーグを戦うクラブに加入しようとしたという。
そこでイランリーグの超名門であるエステグラルに加入…したつもりが、なんと契約したあとにそこが「名前が似た別のクラブ」であることに気づいたとか…。ビフマは『Tasnim』に対して以下のように話したという。
「かつて住んでいたトルコでプレーするチャンスはあったが、妻がそこに戻りたくないと言っていたんだ。
だから、引退する前にクリスティアーノ・ロナウドと対戦してみたいなとね。彼は現在アジアにいる。そして僕にもイランに行くチャンスがあった。エステグラルからのオファーがあると言われていたからね。
そして試合の日程を見ていたら、AFCチャンピオンズリーグでアル・ナスルとの試合があることに気づいたんだ。そうだ、ここが自分の行きたいところなんだと心に言い聞かせたよ。
ところが、僕はイランに『エステグラル』というチームが2つあることを知らなかったんだ。
テヘランに到着したとき、コンゴ代表のチームメイトであるガエル・カクタ(現エステグラル所属)が電話をかけてきたんだ。『今どこにいるんだい?』と。
僕は『ホテルでメディカルチェックを受けているよ』と答えた。するとカクタは『どこのホテルにいるんだ?会いに行きたいんだけど…』と言った。
それから1時間後にまた電話がかかってきて、カクタは僕をからかってこう言ったんだ。『なるほど、君は小さなエステグラルでプレーしているんだ。我々はもっと大きなエステグラルの一員だ。君たちは守り、そして我々は攻めるんだ』とね」
イラン1部リーグにはAFCチャンピオンズリーグにも毎年のように出場する名門「エステグラル」があるが、それとは別に「エステグラル・フージスタン」という全く別のクラブがある。
ビフマはAFCチャンピオンズリーグに出ているエステグラルに加入したつもりで、実際はエステグラル・フージスタンと契約していたのだそう。ただ、ビフマは結果的にこちらに移籍して良かったようで、ここまで9試合で3ゴール2アシストと活躍。なんと本家エステグラルとの試合でもゴールを決めて勝利している。
「いずれにせよ、僕のゴールによって8月にはエステグラルとの試合に勝つことができたからね。それは全く問題にはならなかったよ」とビフマはこの「怪我の功名」を振り返っているそうだ。