冬はつとめて。瓦版の移籍文は言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、出どころのない噂物語を急ぎかたりにして、かたがたなる所を渡るも、いとつきづきし。昼になりてぬるくゆるびもていけば、恋しき選手の正式なる移籍の知らせも、げに顕されてわろし。〈出典:蹴球草子 第一段〉

【現代語訳】冬は早朝が良い。(5時頃に報じられる)新聞の移籍ニュースは言わずもがなだが、霜が真っ白な朝も、そうで無い朝でもすごく寒い日に、 根拠のない移籍の噂話を急いで話題にして、その話が様々なサイトを渡り歩いているのも季節感がある。昼になって寒さが緩んでいって、お気に入りの選手の移籍の公式発表を見て態冷めする。

さて、2024シーズンも大方が終わり、オフシーズンがやって来た。

冬の足音が着々と聞こえてくる中、もう一つの足音も聞こえてくる。そう、「Jリーグチームの外国籍選手補強」の足音だ。

あっというまに9年目を迎えたこの企画。今回もJリーグにやって来そうなオーラを纏った選手達を紹介していきたい。 

ちなみに昨年(2023-24年 冬)はガブリエル・シャビエルがファジアーノ岡山にやって来た。前回(2024年 夏)は2選手が同じタイのクラブにやって来るミラクルも起きている。

果たして今回は誰かやって来るだろうか。「アタッカー編」は11名、ぜひご覧ください。

オーレ・サテル

Ole Sæter

国籍:ノルウェー
ポジション:FW
年齢:28歳
所属:ローゼンボリBK(NOR)

決定力抜群の大型CF。193cmのサイズを生かしたヘディングだけでなく、利き足の左足のシュートも正確。機動力も兼ね備えており、まさに柔と剛が融合した北欧リーグ屈指のストライカーだ。

ルーツはパキスタンにあり、一時期パキスタン代表入りの噂も上がったことがある。

所属するローゼンボリではエースとして活躍し、一昨シーズンはリーグ戦20試合14ゴールと爆発。昨シーズンと今シーズンは負傷でフル回転とは行かなかったが、それでも今季は23試合10ゴール。ほぼ90分に1ゴールの脅威の得点率を誇った。

今夏はイスラエルのクラブからのオファーを一連の社会情勢を理由に拒否。ただ年齢的にもそろそろ海外へ挑戦する時期であり、今冬の争奪戦は必至と思われる。

核となるストライカーが欲しいJリーグのクラブも獲得レースに参戦してもおかしくはないだろう。移籍金を支払ってでも確保しておきたいCFであることは間違いない。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

ジュニーニョ

Juninho (Olávio Vieira dos Santos Júnior)

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:28歳
所属:カラバフFK(AZE)

アゼルバイジャンリーグ王者、カラバフFKの絶対的エース。スピードで相手を振り切れば、切れ味のあるシュートでゴールを揺らす。

昨シーズンはアゼルバイジャンリーグ得点王に輝き、今シーズンも欧州の舞台で得点を量産中。名前が同じ元川崎、鹿島のFWジュニーニョと似たようなタイプで、彼を少し大きくしたようなムービングタイプのストライカーだ。

今冬は欧州の複数クラブが獲得に興味を持っている模様。カラバフとは契約を残しているため獲得には億単位の移籍金が必要とのことだが、リーグタイトルやアジアを見据えた補強としては適任といえる。

周囲を生かし、自身もゴールを奪う1トップとして、またゴールに専念する2トップの一角としても期待できる、まさに夢の広がるタレントである。

【Jに来るかも知れない度】★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★