J2ジェフユナイテッド千葉に2025年シーズンから加入する産業能率大MF猪狩祐真は、17季ぶりのJ1復帰に向けた揺るがない決意を口にした。
今季の関東大学サッカーリーグ2部では左ひざ内側靭帯などの負傷により本領を発揮できなかったが、昨季はリーグ戦(2部)20試合14得点7アシストを記録して得点王を獲得。
柔らかいタッチ、すり抜けるようなドリブル、多彩なアイディアによるチャンスメイク、そして傑出した決定力など、傑出したテクニシャンにサポーターは大きな期待を抱いている。
J1川崎フロンターレの下部組織で育ち、日大藤沢高校、産能大と歩みを進めてきた猪狩がこれまでのキャリアを振り返り、来季自身が立つプロの舞台に向けて意気込みを語った。
(取材・文 浅野凜太郎)
川崎アカデミーで培われた確かな技術
――まずサッカーを始めたきっかけを教えてください。
「物心がついたときにはサッカーをやっていました。自分は三人兄弟の末っ子なんですけど、5歳差と6歳差の兄が二人とも幼稚園から大学までサッカーをやっていたんです。
真ん中の兄はフロンターレのジュニアユースからユースに行って、それから産能大。自分はジュニアからフロンターレに行ったので、少しのズレはあるんですけど、経歴はほぼ同じです」
――お兄さんたちの姿は刺激になりましたか。
「それこそ真ん中の兄(和真さん)は(MF)三笘薫選手(プレミアリーグ、ブライトン)と川崎で同じ代でした。フロンターレで兄の試合を観に行ったときにプレーしている三笘選手のドリブルが上手だった記憶があります」
――猪狩選手もそのまま川崎のジュニアユースに進みました。そこで培われたものを教えてください。
「足元の技術は、確実にフロンターレのアカデミーで身についたものだと思います。止める、蹴るの大切さを学べました。止められるから顔も上がるし、顔が上がるからプレーの選択肢も広がる。考えながらプレーすることにつながってくるので、自分のサッカー人生において、フロンターレで過ごした5年間はとても大きかったと思います」
――憧れの選手はいましたか。
「中村憲剛選手はプレーが似ているわけではないんですが、ジュニアからずっと観ていたので、止める、蹴るの部分や視野の広さを参考にしていました」