猪狩の千葉加入内定のリリースが出てから、約1カ月後に順天堂大MF岩井琢朗の来季加入内定が発表された。負傷で苦しむ猪狩とは対照的に、岩井は特別指定選手でJ2第23節清水エスパルス戦(0●2)でJリーグデビューを果たした。

同期の活躍を羨望の眼差しで見ていたが、その経験もいまはポジティブな原動力に変えている。自身の武器、長所を理解しているチャンスメイカーは、千葉に新しい風を吹かせる決意を口にした。

卓越した技術で千葉に新たな風を

――順天堂大のMF岩井選手はアウェー清水戦に途中出場しました。あの時期は負傷中だったんですね。

「琢朗とは夏にリハビリで(千葉に)行ったときに寮で会ってサッカーの話をしました。正直、悔しかったです。自分の方が早く内定していたので、どんどん試合に絡んでいく姿を思い描いていましたから。焦りはありましたが、いまの自分にできることは何か、琢朗を刺激にしながら、プラスに捉えてやっていました」

――千葉ではどのようなプレーを披露したいですか。

「トップ下がやりたい中で、チームによってはトップ下を置かないチームもあると思います。自分は167センチと小柄なので、足元の技術などを武器にして戦ってきましたし、そこのポジションで取ってくれたことがとても大きかったんです。

足が速いわけでも、身体が強いわけでもない。考えてプレーすることが自分の生命線だと思っていますし、そこをやめたら終わりだと思っています。自分の武器ですし、相手を食いつかせて得点を奪っていきたい。プロの舞台は高いレベルですが、自分で(チャンスを)つかみ取りたいですし、J1に行くために戦っていきたいです」

――川崎との対戦もあるかもしれないですよね。

「(川崎U-18に上がれなかったことは)悔しかった。だからこそ絶対に成長した姿を見せたいですし、ジェフでJ1に行って対戦したいと思います」

――対戦が楽しみな選手はいますか。

「植村選手です。プレーの引き出しやボールの持ち方など、プレーを一番盗んでいた選手です。高校のときはポジションが同じだった植村くんがうますぎて、自分は試合に出られなかった。対戦できれば楽しみですね」

産業能率大学サッカー部提供

――ちなみに、千葉のクラブ公式サイトに「まっちょ」というニックネームが書かれていましたが。

「それ、書いていましたっけ(笑)。母がつけたのか分からないんですけど、物心がついたときからこのあだ名です。

みんなからも『なんでまっちょなの?体がマッチョなの?』と聞かれるんですけど、別にそういうわけではないんです。ただ、兄も自分のことを『まっちょ』と呼んでいたので、それが地元では浸透しているんです」

――サポーターからも「まっちょ」と呼ばれたいですか。

「祐真と呼ばれるのも新鮮でいいですけどね(笑)。でもそれは考えさせてください(笑)」

――分かりました(笑)。最後にキャリアの展望を教えてください。

「バルセロナ(ラ・リーガ)が好きなので、いつかはスペインでプレーしたいと思っています。ただ、カズさんからは『第一線で10年プレーしろ』と強く言われていて、そのためにもこの1年目はとても重要だと思っています。ジェフでポジションを確立して試合に出続けたいと思っていますし、ジェフでJ1に行きたいです」

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スタートダッシュには遅れたが、ここから巻き返せるという自信がある。同大サッカー部の小湊隆延監督は「技術力が高い選手ですし、必ずJリーグの舞台でもやってくれる』と太鼓判を押した。産能大のエースが千葉になかった新たなアクセントとなり、悲願のJ1復帰へと導いていく。

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