今夏、5シーズンを過ごしたデポルティーボ・ラ・コルーニャを離れ、バレンシアへと移籍したメキシコ代表MFアンドレス・グアルダード。
左サイドをエネルギッシュに躍動する25歳のレフティーは今夜、自身初となるチャンピオンズリーグの舞台、対バイエルン戦に臨む。そんななか、『El Pais』のインタビューで現在の心境、生い立ちについてに語った。
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ーあなたの社会的背景を教えてください。
「小さい頃は本当にいい暮らしだったんだけど、その後暗転した。(スーパーマーケットの?)会計士だった父が職を失い、母も働かなかった」
「私立系、バイリンガル、ミッション系、市立系、4つが混ざった政府系?の学校に行くことになった。そこで僕の人生は完全に変わった。様々な境遇の人間と交流する(一般的とは?)全く異なる教育を受けることになったんだ。両親がいないストリートチルドレンやドラッグを勧めてくる心ない人間。彼らと一緒に暮らした」
「(普通の)学校では教えてくれない、人生をどう生きるかについて学んだ。それから、*Bachilleratoに自費で通った。フットボーラーとして1部にデビューする18歳までね。7歳の時にアトラスの下部に入り、ユースを含め(トップデビューまで)全ての過程を通った」
ースペインはステレオタイプ的な視点でメキシコを見てる?
「世界中の人は僕らが(いまだに)馬に乗ってると信じてる。(肌は)褐色で、体は小さく、口ひげを生やし、水のようにテキーラをあおってタコスを食べてるってね」
「(メキシコには)素晴らしい文化と大都市だってあるんだ。*シウダー・フアレスでの虐殺や麻薬取引なんかもあるけど、そういったことが全てじゃない」
ー売春問題について告発を行ったリディア・カチョ氏(メキシコの女性ジャーナリスト、人権保護活動家)を知っている?
「いや、でも広く知られているよ。それについて話すのは恐いんだ。個人的なことだからね。麻薬取引に言及した政治家に待っているのは死なんだ」
ー(出身地)グアダラハラのどのあたりで育ったんですか?
「ラ・ペンカに近いサポパン。朝の4時からアルコールを出す店があるところさ。 *800~900万の人々が住み、非常に貧しい地域がある一方、大金持ちもいる」
ーメキシコはロンドンオリンピックのサッカーで金メダルを獲得しました。
「世界が僕らのことをこれまでとは違った見方をするだろうね。ここにはいい(サッカー)スクールもあるし、いいコーチもいる。 U-17W杯で2度優勝したことで、違ったメンタリティーが生まれたんだ。それまでは国外に出ようとはしなかったけれど、今ではみんな海外へ行きたがる」
ーこれからどのメキシコ人選手が違いを生み出すと?
「ジオバニ・ドス・サントス。彼自身の個人的問題によってポテンシャルを発揮できていなかった」
ー20歳の時にやってきたデポルはどうでした?
「僕のいたアトラスはサッカーのフィールドにテニスコート、レストランにゴルフコースまである社交的なクラブだった。イメージしてたスペインは素晴らしかったんだけど・・・」
ー最初のシーズンはブーイングも受けました。
「自分たちの選手が評価を落とすようなことをすると人々はブーイングをする。今の(フェルナンド)ジョレンテを見てみなよ。僕は幸運にもピッチ上でそれを覆すことができた」
ーその後、チームは2部に降格しました。
「一からの出直しだった。1部でプレーする特権、喜びをもう一度取り返そうと。何年も忘れていた気持ちだった」
ー(2011年からデポルの監督を務めるルイス)オルトラは何をもたらした?
「フレンドシップ。僕は彼のことを信頼し全てを打ち明け、彼は僕の状況をつぶさに分かっていた。僕らは主人公となり、デポルとともに歩み続けた。 僕らは『自分たちのスタイルに誠実でなければならない』と言い続けた。それとともに死ぬ(心中する)んだと」
ーバレンシアはどうですか?
「街の人たち、関係者、チームメイトの求めるもの・・・バレンシアはすべてにおいてビッグだよ」
ー前任者にはビセンテ、キリ(ゴンサーレス)、(ダビド)シルバ、マタらがいます。彼らのようになれる?
「時間が経てば分かること。僕にはクオリティがあるけど、それは止まることなく走り続けることでもないし、守備でもない。 *ロティーナ時代の守備的なスタイルではサイドバックの助けるためマークに奔走したけど」
ーチャンピオンズリーグのデビューにむけて胸が躍る?
「アメリカ人だろうが、中国人だろうが、アフリカ人だろうが、誰だってね・・・。あのリベリやロッベン、クロースと対戦するんだ・・・」
ー先週土曜日のセルタ戦では2-1の勝利を収めました。
「あぁ、(でも)僕らはもっと試合をコントロールすべきだった。激しい当たりやマークに集中し切れなかった」
ーメキシコではどれくらいの商品の広告塔に?
「車に、食料品に、デオドランド・・・。フットボールと絡めて促進させようって側面があるね。楽しいよ」
ーあなたの国のクラブよりいい給与をもらってる?
「あぁ、かなり、2倍はある。でもともかく、プロとしての全力を発揮するよ」
「ヨーロッパで長くプレーしたメキシコ人選手は多くないんだ。ラファエル・マルケス、ウーゴ・サンチェスくらいのものさ。(スペインで)もう6年だから、うまくいけば12まで伸ばせるだろう。お金も得られるだろうけど、不満はないね」
ースペインの経済危機を感じることは?
「たくさんある。遠くない昔、バレンシアにはペジェグリーノ、キリ、ミスタ、アジャラらがいて、かなり稼いでたって聞かされる。今じゃ彼らの給与は払えないよ」
*Bachillerato=大学に入るための基本的知識を身に付ける高校に相当?
*シウダー・フアレス=メキシコ北部の都市、wikipediaでは『戦争地帯を除くと世界で最も危険な都市』とも
*wikipediaによれば2010年時点のグアダラハラの都市的地域人口は421万人
*ミゲル・アンヘル・ロティーナ=現ビジャレアル監督。2007~2011年までデポルを率い、時に5バックなど守備的な布陣を敷いた
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なお、バレンシアがミュンヘン遠征に招集した20名は以下の通り。
GK ジエゴ・アウヴェス、グアイタ、フェリペ・ラモス
DF J・ペレイラ、バラガン、ラミ、V・ルイス、R・コスタ、アリ・シソコ、カルロス・デルガド
MF パレホ、ティノ・コスタ、ホナタン・ビエラ、グアルダード、フェグリ、ベルナト、ポルトゥ
FW ソルダード、ジョナス、ネルソン・バルデス
(筆:Qoly編集部 I)