北川景子が主演を務め、映画『ミッドナイトスワン』で知られる内田英治がメガホンを取った『ナイトフラワー』が28日に公開を迎える。東京日比谷で行われた東京国際映画祭ではプレミア上映が行われ、イベントで内田英治監督と吉條英希プロデューサーが思いを語った。

北川景子がドラッグの売人に……

画像1: ©2025「ナイトフラワー」製作委員会

©2025「ナイトフラワー」製作委員会

2児を育てながらの苦しい生活を理由に、ドラッグの売買に手を染めていくシングルマザーの夏希を北川景子、彼女のボディーガードをすることになった女性格闘家の多摩恵を森田望智が熱演する。

この映画のために半年間のトレーニングに励み、7キロ増量して臨んだという森田望智の格闘シーンや、佐久間大介(Snow Man)、俳優初挑戦となるロックバンドSUPER BEAVERのボーカル、渋谷龍太ら脇を固める俳優陣にも注目の作品だ。

画像: ©2025「ナイトフラワー」製作委員会 半年間の役作りを経て、格闘家を演じた森田望智。本物さながらの格闘シーンも注目したい。

©2025「ナイトフラワー」製作委員会 半年間の役作りを経て、格闘家を演じた森田望智。本物さながらの格闘シーンも注目したい。

画像2: ©2025「ナイトフラワー」製作委員会

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画像: ©TIFF 東京国際映画祭のレッドカーペットに登壇した内田英治監督(左)、北川景子(中)、森田望智(右)

©TIFF 東京国際映画祭のレッドカーペットに登壇した内田英治監督(左)、北川景子(中)、森田望智(右)

内田英治監督×吉條英希氏が明かす撮影秘話

一足早く上映された東京国際映画祭では、本作の監督監督を務めた内田英治氏と、企画・プロデュースを担当した吉條英希氏がイベントに登壇し、映画ファンらの質問に答えた。

画像1: ©TIFF

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――まずは内田監督にお伺いします。「1年ほどかけて制作された」という本作の脚本は、吉條
プロデューサーとどういったお話をされながら、手掛けられたのでしょう?

内田:僕は、陽の当たらない場所で一生懸命生きているキャラクターが好きで。最初は「(吉條さんは)テレビ局の方なので、100%一緒にやってはくれないだろう」と思いながら、話を持ちかけてみたんですけど……。やがて自分たちの幼少期の話になり、「お母さんと2人で一緒に頑張って生きてこられた」エピソードにもすごく感銘を受けて。(吉條さんは)にお聞きした色々な話を、脚本に入れ込んでいきました。

――吉條さんは、内田監督の代表作『ミッドナイトスワン』に感銘を受けて、「ぜひ内田監督と一緒にお仕事をしてみたい」と思われたそうですね。今回、ご一緒にお仕事をされてみていかがでしたか?

吉條:最初に『ミッドナイトスワン』を見たときに、画面から出てくる役者の皆さんが、本当にナチュラルでリアリティーな動きをされていて、まるでドキュメンタリーを見ているような感覚を味わいました。

その後、実際に内田さんの現場を見てわかったのは、とにかく現場の雰囲気がすごく穏やかで、ピリついてないんですよ。内田監督の本当に穏やかな人柄が、そのまま現場にあって。そのおかげで、みんなが落ち着いて芝居もできるんです。あとは、役者と監督の物理的な距離感がすごく近いので、演者の皆さんは本当に安心して、お芝居に打ち込めるんだろうなと感じました。

画像2: ©TIFF

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――自分の正しいと思うことに対して、真面目な人が描かれている内田監督の作品が印象に残りました。もし何か、キャスティングに対するこだわりがございましたら聞かせてください。

内田:僕が映画を作り始めた頃は、今振り返ってみると「役者さんのことを正直あまり信用していなかったのかな?」と思っていて。僕が若い頃には、「映画は演出主導で進むものだ」と考えている時期もありました。

その後、役者さんがその現場で出してくれるアイデアやお芝居、その場の雰囲気で出てくる内面的な気持ちの大切さに気付かされて。「僕らはそれをバックアップしたらいいんだ」という時代を経て、今に至ります。

なので、キャスティングには、時に政治的であったり、人気に左右されたりすることもあると思うんですけど、なるべく自分が内面的に信頼できたり、もしくは現場で「何かしらの形で、爆発してくれるかもしれない」という期待を持てたりする。あるいは何かを思いを秘めていて、現場で何かしらのマジックを起してくれそうな方をキャスティングするようにしています。

画像1: 内田英治監督×吉條英希氏が明かす撮影秘話

吉條:作中に小春ちゃん(渡瀬結美)が、レベルの高いバイオリン教室に行って、自分よりも演奏の上手い子を見て打ちひしがれるシーンがあると思うんですけど。

小春を演じた渡瀬結美さんは、あの年齢では日本トップクラスのバイオリニストなんですが、作中に登場する演奏の上手いバイオリニストの女性は、(渡瀬さんよりも)年齢が少し上で、リアルに(演奏の)上手な子を起用しているんです。だから映画のシーンでも、小春ちゃんは本当に打ちひしがれているんですよね。だから、その辺がものすごく表情にも現れていると思うんです。

内田:バイオリンやバレエを一生懸命やってきた子は、努力を続けられる姿勢や、演技に対する集中力も備わっていて、飲み込みが半端なく早いんです。改めてクラシックっていうのは本当にすごく興味深い世界だなと思うし、例えば、美味しいラーメン作るヨーロッパの方とか、異文化同士のクロスを映画は面白いなと思うし、映画にすると、「興味深いものになるな」といつも思っています。

――最後になりますが、一言メッセージをお願い致します。

吉條:『ナイトフラワー』を1人でもたくさんの人に届けたいと思っています。何でも結構なので、「よかった」とか「心に刺さった」と大切な人たちにお話していただけたらなと思っておりますので、どうぞ応援よろしくお願いします。

内田:去年はアメリカに行きましたが、ヨーロッパとかそのほかの色々な国を見ていると、映画産業の衰退を肌で感じます。最近は配信が当たり前になっていますが、「スクリーンで映画を見るのもいい文化だな」と思うので、今回作品を見ていただいた本当に映画好きな皆さんには、ぜひスクリーンで見る映画を応援していただけたらなと思います。

この映画『ナイトフラワー』は、日本だと全体の5%以下になってしまったオリジナル作品です。皆さんの応援がないと、もうあっという間になくなってしまう文化なので、ぜひオリジナル映画を応援していただけたら嬉しいです。

画像2: 内田英治監督×吉條英希氏が明かす撮影秘話
画像3: ©2025「ナイトフラワー」製作委員会

©2025「ナイトフラワー」製作委員会

原案・脚本・監督:内田英治 
キャスト北川景子、 森田望智、佐久間大介(Snow Man)、渋谷龍太、渋川清彦、池内博之、田中麗奈、光石研
2025年製作/124分/PG12/日本  配給:松竹 劇場公開日:2025年11月28日

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