2025シーズンのプロ野球やJリーグが閉幕した一方で、Bリーグはシーズン真っ最中だ。競技は違えど、同じホームタウンで活動するチームも多く、野球選手やサッカー選手がコラボレーションの一環としてバスケットボールの会場に駆けつける光景も珍しくない。B1第14節(12月13~14日)では、川崎ブレイブサンダースのホーム・とどろきアリーナに、Jリーグの川崎フロンターレに所属するマスコットや選手たちが登場した。
Bリーグが開幕して10年。川崎のキャプテン篠山の眼には、客席の変化も映ったようだ。

B1川崎とJ1川崎がコラボする特別な2日間。とどろきアリーナにふろん太にカブレラ、佐々木旭や名願斗哉も登場

川崎のバスケとサッカーのシンボルは、ご近所同士だ――。川崎フロンターレのホーム・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)のすぐ近くにある、とどろきアリーナをホームコートにする川崎ブレイブサンダースは、12月13日(土)、14日(日)のアルバルク東京(A東京)戦で「川崎フロンターレコラボデイズ」を開催した。

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13日にはフロンターレのマスコット「ふろん太」と「カブレラ」が来場し、ブレイブサンダースのマスコット「ロウル」とともに会場を盛り上げた。14日にはフロンターレの佐々木旭選手と名願斗哉選手が応援に駆けつけ、ハーフタイムにはシュートチャレンジにも挑戦。サッカーボールを蹴って3ポイントシュートを狙う足技を披露した。

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惜しくもシュートは外れたが、スタンドを大いに沸かせると、佐々木選手は「悔しいので、またリベンジしたい」とコメント。一方の名願選手は「決められなくても、楽しかったです」と笑顔を見せた。これを機に彼らの名前を覚えたブースターもいるのではないだろうか。

試合に目を向けると、川崎はA東京に67-93で敗戦。コラボデイズを勝利で飾ることはできなかった。1クォーターから18-29と追う展開となり、2クォーターでは2桁点差から残り3分を切ってキャプテンの篠山竜青がエマニュエル・テリーのダンクを引き出し、自身も3ポイントを決めるなど連続得点。42-48まで点差を縮めて前半を折り返した。3クォーターに入るとA東京の堅守を破れず苦しい展開に。スペイン帰りの司令塔・岡田大河が伊久江ロイ英輝やテリーの得点を引き出す好アシストも見せたが、相手の背中は遠かった。

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記者会見に姿を現した篠山は、「前半はついていけましたけど、後半自力の差が出ました。今の川崎はケガ人がいて、なかなかロスターがそろわない中でアルバルクさんに勝つことが少し厳しいところを見せつけられたような試合でした」と振り返った。それでも下を向いてばかりはいられず、「ここから何かを学ばなければいけない」と前を向いた。

過去に中村憲剛氏とも対談…篠山竜青がとどろきで感じた変化

一方で、フロンターレとのコラボデイズについて篠山に尋ねると、同じ川崎をホームにするプロチーム同士、手を取り合って地域を盛り上げていきたいという強い気持ちを明かした。Bリーグ開幕以降、雑誌の対談やクラブ同士のコラボレーションなどを通じて、フロンターレのバンディエラ・中村憲剛氏と出会い、さらにフロンターレスタッフともコミュニケーションを重ねてきたという。

そうした交流を通じて篠山は、フロンターレに対して「一番感じるのは、地域に根ざしてコツコツ積み上げてきたものがある」と語る。

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彼はその一例として、ユース出身の選手が世界で活躍している育成のあり方や“川崎”というまちで長年にわたって活動してきた地域との向き合い方を挙げた。商店街などを歩けば、どこに行ってもフロンターレのポスターが貼られている光景を目にしており、「そこはやっぱり、フロンターレのフロントの方たちが足で稼いできたものだと思う」とも話す。昨今、Bリーグや各クラブがビジネスとして発展していく様子が目立つ中、篠山の言葉からは、改めてプロチームとして原点に立ち返りたいという思いも感じられた。

「僕としては、フロンターレさんのように、いかに地域の人に愛され、必要とされるクラブになれるか。これが一番必要なことだと思っています。その意味で、僕はフロンターレさんに対してライバルとか、追いつき追い越せという感覚はあまりなくて、スポーツの仲間だと思っています。サッカーとバスケは競技性が違うし、それぞれに魅力があります。川崎を“スポーツ”というひとつのエンターテインメントで盛り上げたり、まちを元気にする取り組みを一緒にやっていければいいなと思っています」

また、篠山にとって今節のコラボで発見もあったようだ。Bリーグが開幕して10年目。とどろきアリーナに、サッカーとバスケが自然に溶け込む様子が広がっているという。

「やっぱり(コラボを)始めたばかりの頃は、フロンターレのユニフォームを着た人たちがコートから見えて、あの水色がちょこちょこと(客席に)あるのがすごうれしかったのを覚えています。それが少しずつ時を経て、とどろきの座席で、フロンターレのユニフォームの上から川崎のユニフォームを着てくださる方がいる光景を見ることが増えてきて。それがすごくうれしいなと思っています。スポーツでまちを元気にする仲間として、一緒にいろんなことができたらいいなと思います」

Bリーグ B1第14節 他会場の結果

B1第14節では、東地区の上位勢で順位の変動があった。千葉ジェッツがアウェーでサンロッカーズ渋谷に連勝して4戦負けなしとして、首位に浮上。レバンガ北海道も富山グラウジーズに対してGAME1を109-85で制すると、GAME2も88-87で競り勝ち、クラブの連勝記録を「12」まで伸ばして地区2位へ。宇都宮ブレックスはホームで三遠ネオフェニックスと1勝1敗の痛み分けに終わり、地区3位に後退している。

なお、西地区では上位4強に順位の入れ替わりはなく、長崎ヴェルカが21勝2敗でリーグ最高勝率.913をキープして、首位を走っている。

【結果】B1 第14節(2025年12月13日~14日)

・群馬 87-54 越谷 / 群馬 93-69 越谷
・SR渋谷 69-93 千葉J / SR渋谷 70-80 千葉J
・川崎 82-92 A東京 / 川崎 67-93 A東京
・滋賀 82-107 長崎 / 滋賀 84-106 長崎
・佐賀 72-95 琉球 / 佐賀 77-102 琉球
・島根 71-73 広島 / 島根 96-88 広島
・名古屋D 82-68 茨城 / 名古屋D 89-68 茨城
・北海道 109-85 富山 / 北海道 88-87 富山
・仙台 81-58 京都 / 仙台 94-65 京都
・秋田 67-79 三河 / 秋田 89-85 三河
・横浜BC 87-80 大阪 / 横浜BC 63-71 大阪
・宇都宮 95-90 三遠 / 宇都宮 79-93 三遠
・FE名古屋 93-77 A千葉 / FE名古屋 101-105 A千葉

【順位表】B1 第14節終了時点(2025年12月14日)

●東地区
1位|千葉ジェッツ|19勝4敗(.826)
2位|レバンガ北海道|19勝4敗(.826)
3位|宇都宮ブレックス|18勝5敗(.783)
4位|群馬クレインサンダーズ|16勝7敗(.696)
5位|アルバルク東京|13勝10敗(.565)
6位|仙台89ERS|12勝11敗(.522)
7位|越谷アルファーズ|9勝14敗(.391)
8位|横浜ビー・コルセアーズ|9勝14敗(.391)
9位|アルティーリ千葉|8勝15敗(.348)
10位|サンロッカーズ渋谷|8勝15敗(.348)
11位|川崎ブレイブサンダース|4勝19敗(.174)
12位|秋田ノーザンハピネッツ|4勝19敗(.174)
13位|茨城ロボッツ|3勝20敗(.130)
●西地区
1位|長崎ヴェルカ|21勝2敗(.913)
2位|名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|20勝3敗(.870)
3位|シーホース三河|16勝7敗(.696)
4位|琉球ゴールデンキングス|16勝7敗(.696)
5位|島根スサノオマジック|13勝10敗(.565)
6位|広島ドラゴンフライズ|12勝11敗(.522)
7位|大阪エヴェッサ|10勝13敗(.435)
8位|三遠ネオフェニックス|10勝13敗(.435)
9位|ファイティングイーグルス名古屋|9勝14敗(.391)
10位|佐賀バルーナーズ|9勝14敗(.391)
11位|滋賀レイクス|9勝14敗(.391)
12位|京都ハンナリーズ|6勝17敗(.261)
13位|富山グラウジーズ|6勝17敗(.261)

執筆:Qoly Bリーグ・バスケットボール取材班

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