東山高、日大で活躍。卓越したパスセンスが魅力のポイントガード
米須玲音は2003年生まれ、長崎県出身。身長177㎝とバスケットボール選手としては小柄ながら、広いコートビジョンと卓越したパスセンスを武器に、世代屈指のポイントガードとして知られる。

京都の東山高校時代には、3年時のウインターカップでチームを決勝へ導き、自身も15得点10リバウンド10アシストのトリプルダブルを記録し、大会ベスト5に選出された。
その後、在学中の2020-21シーズンに特別指定選手として川崎ブレイブサンダースへ加入。進学した日本大学ではリーグ戦で3度のアシスト王を獲得した。
大学4年間の活動を終えた2024-25シーズンも特別指定選手(プロ契約)として川崎に所属。36試合に出場し、平均18分47秒の出場時間で3.6得点、4.4アシストを記録した。今シーズンから正式契約を結んだが、昨秋のプレシーズンゲームで負傷。リハビリを経て、2月14日の宇都宮ブレックス戦で戦線復帰を果たした。
ケガ明けの「良い状態」。ダービーは「負けられない」
4月4日に行われたB1第29節、横浜ビー・コルセアーズとの“神奈川ダービー”GAME 1。この試合で米須は復帰後11試合目を迎えていた。コンディションも良好で、「いろいろ食事も取りながら、今はちょうど(体の状態は)良い状態」と明かす。この日もスターティング5に名を連ね、24分30秒出場で9得点5リバウンド2アシスト。チームに欠かせない役割を担った。
もっとも、川崎の順位は東地区で13チーム中12位と下位に低迷。ダービーのGAME1も、1クォーター序盤から0-10のランを許し、苦しい立ち上がりとなった。タイムアウトで立て直すと、津山尚大(#13/180cm/PG・SG)やロスコ・アレン(#25/208cm/SF・PF)の得点で猛追し、18-16で逆転し2クォーターへ。しかし、その後は3本の3ポイントシュートを浴び、ターンオーバーから流れを失う。米須のアシストからアレンが得点する場面もあったが、32-41で前半を折り返した。

後半も立ち上がりに反撃を見せるが、再び突き放されるなど、横浜BCのオフェンスに苦しむ展開に。4クォーターにはエマニュエル・テリー(#5/206cm/C・PF)のスティールから米須が3ポイントシュートを沈めるなどしたが、71-85で敗戦となった。
米須はダービーについて当初「あまり意識はしてなかった」としながらも、「神奈川県で2つのチームがB1で戦っている中で負けられないという思いはあるので、今日は結構意識していました」と振り返る。
試合後にはチームミーティングでの課題にも言及。
「ファウルの使い方を大事にしないといけない」とし、前節の越谷アルファーズ戦ではファウルが積み重なってハードにプレーできなかった一方、この日の試合では「ファウルがあまり使えず、相手にやりたいようにやらせてしまった」と、序盤の連続失点を反省した。
また、後半はディフェンス強度を上げて点差を縮める点を前向きにとらえながらも、「決め切る力をつけないといけない」とコメント。相手に3ポイントを許す一方、自分達はフリーの場面で決めきれなかったことを課題に挙げた。
「一人一人が脅威にならないといけない」とヘッドコーチ、そして選手が繰り返し口にする言葉を体現できるか。シーズン終盤に向け、その重要性は増している。
「出た分、活躍しないといけない」目標は1試合2桁得点
一方で、米須自身は2月の復帰以降、心身ともに良好な状態を保っている。「やっぱりコートに立って自分がプレーする。とてもうれしいことです」と語り、過密日程の中でも「自分の中でやれるときにトレーニングをやって、それ(=コンディション)を維持していけたらと思います」とコンディション管理への意識を明かす。
翌日のGAME2では82-75で勝利し、13得点6リバウンド6アシストを記録。GAME1後には、シーズンの出遅れた分を取り返す覚悟も口にしていた。

「やっぱり出た分、活躍しないといけないと思いますし、40試合近く出てなかったので残り20試合ぐらいですね。チャンピオンシップ出場はもう無いですけど、残り20試合で僕は(結果を)残すことを考えています。チームとしても勝つことが一番ですし、プラスして自分の活躍もできたら良いなと思っています」
具体的な指標として掲げるのは「1試合2桁得点」だ。「あまり意識しないようにはしている」と前置きしつつも、「2桁得点を取れるようになると、相手としても嫌な選手になってくると思うので、目指しています。シュートは水物ではありますが、平均的に決め切れる選手になりたい」と語る。
復帰後は12試合では平均8.4得点。目標の“2桁”までは、あと一歩だ。
後輩・横浜BCの佐藤凪と対戦できたら「嬉しい」。次のダービーは最終戦
今節は対戦機会がなかったものの、横浜BCには東山高校の後輩・佐藤凪が所属している。同じポイントガードとして意識する存在だ。

次回の“神奈川ダービー”は、レギュラーシーズン最終戦となる第36節(5月2、3日)。横浜BUNTAIで行われるアウェーゲームで、両者のマッチアップが実現するかにも注目が集まる。
先輩も、その瞬間を心待ちにしている。
「お互いコートに立ってマッチアップできたら、一番僕は嬉しいです。東山から出てきてこの舞台に立てるということは、2人にとってすごく嬉しいことだと思う。どんどん後輩たちにもいい影響を与えられたらと思います」
他会場の結果
Bリーグのレギュラーシーズンも残り1カ月を切り、チャンピオンシップ進出争いが佳境を迎えている。個人スタッツにも注目が集まる中、B1第29節終了時点の状況を整理したい。
B1得点ランキングトップのジャレット・カルバー、フリースロー成功率1位のネイサン・ブースを擁する仙台89ERSは、佐賀バルーナーズと1勝1敗。ワイルドカード6位で、CS圏内まで3ゲーム差につけている。
また、スティールとブロックでトップに立つデイビッド・ヌワバを擁する三遠ネオフェニックスは、アウェーの茨城ロボッツ戦で1勝1敗。連勝は13で止まったものの、仙台とゲーム差なしのワイルドカード7位につけている。
なお、スティールランキングでは名古屋ダイヤモンドドルフィンズのアーロン・ヘンリーも同数でトップに並んでいる。
一方、アシストランキング1位のD.J・ニュービルを擁する宇都宮ブレックスは東地区首位を堅持し、地区優勝マジック8。3ポイント成功率トップのイ・ヒョンジュンが活躍する長崎ヴェルカは6連勝で、西地区首位をキープしている。
その長崎にアウェーで2連敗を喫したファイティングイーグルス名古屋では、リバウンドランキング1位のショーン・オマラの奮闘も光る。
【結果】B1 第29節(2026年4月4日 / 4月5日)
・川崎 71-85 横浜BC / 川崎 82-75 横浜BC
・A東京 85-68 秋田 / A東京 86-72 秋田
・名古屋D 92-65 富山 / 名古屋D 91-58 富山
・長崎 97-83 FE名古屋 / 長崎 99-88 FE名古屋
・琉球 83-74 北海道 / 琉球 91-82 北海道
・滋賀 92-85 A千葉 / 滋賀 79-64 A千葉
・広島 85-79 千葉J / 広島 96-100 千葉J
・仙台 66-82 佐賀 / 仙台 87-66 佐賀
・茨城 71-89 三遠 / 茨城 84-82 三遠
・宇都宮 91-75 京都 / 宇都宮 89-77 京都
・越谷 78-84 大阪 / 越谷 84-77 大阪
・島根 55-74 群馬 / 島根 65-81 群馬
・SR渋谷 68-73 三河 / SR渋谷 94-84 三河
【順位表】B1 第29節終了時点(2026年4月5日)
・CS進出ラインあり。★はワイルドカード
東地区
1位|宇都宮ブレックス|37勝12敗(.755)
2位|千葉ジェッツ|33勝16敗(.673)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
3位|群馬クレインサンダーズ|33勝16敗(.673)★WC3位
4位|アルバルク東京|32勝17敗(.653)★WC4位
-------------------------------------------CS進出ライン(WCによる進出)
5位|レバンガ北海道|31勝18敗(.633)
6位|仙台89ERS|29勝20敗(.592)
7位|横浜ビー・コルセアーズ|20勝29敗(.408)
8位|サンロッカーズ渋谷|20勝29敗(.408)
9位|越谷アルファーズ|17勝32敗(.347)
10位|アルティーリ千葉|16勝33敗(.327)
11位|茨城ロボッツ|15勝34敗(.306)
12位|川崎ブレイブサンダース|14勝35敗(.286)
13位|秋田ノーザンハピネッツ|8勝41敗(.163)
西地区
1位|長崎ヴェルカ|40勝9敗(.816)
2位|名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|38勝11敗(.776)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
3位|シーホース三河|34勝15敗(.694)★WC1位
4位|琉球ゴールデンキングス|34勝15敗(.694)★WC2位
-------------------------------------------CS進出ライン(WCによる進出)
5位|三遠ネオフェニックス|29勝20敗(.592)
6位|広島ドラゴンフライズ|28勝21敗(.571)
7位|佐賀バルーナーズ|25勝24敗(.510)
8位|島根スサノオマジック|23勝26敗(.469)
9位|大阪エヴェッサ|19勝30敗(.388)
10位|滋賀レイクス|19勝30敗(.388)
11位|京都ハンナリーズ|16勝33敗(.327)
12位|ファイティングイーグルス名古屋|16勝33敗(.327)
13位|富山グラウジーズ|11勝38敗(.224)
文=大橋裕之

