平均年齢26.4歳。滋賀レイクスはB1屈指の若いチームだ。昨シーズンはリーグ最下位に沈み、今シーズンも苦戦が続いていたが、終盤戦に入り調子が上向きつつある。3月下旬から6勝2敗と白星を先行させ、強豪の千葉ジェッツも撃破。チャンピオンシップ進出の可能性はないものの、24歳の司令塔・游艾喆やルーキーの西田陽成ら若い世代の活躍が光る。彼らが自信を持って戦うチームカルチャーとはーー。

世界的にも平均年齢の高いリーグと言われている中で……

Bリーグは、世界的に見ても平均年齢が高いリーグとされている。NBAの平均年齢が約26歳であるのに対し、2024-25シーズンの公表値ではBリーガーの平均年齢は29.1歳だ。

そんな状況の中、昨季リーグ最下位からの巻き返しを狙う西地区の滋賀レイクスは、フレッシュな顔ぶれで今シーズンに臨んでいる。昨秋の開幕ロスターの平均年齢は26.4歳。25歳以下が5名、26歳から29歳も5名と若い戦力でシーズンのスタートを切った。

シーズン序盤は、昨年12月末から9連敗を喫するなど苦戦。それでも終盤に入った3月下旬から勝ち星を積み重ねている。3月28日の第27節、富山グラウジーズ戦から、4月12日の第31節千葉ジェッツ戦まで8試合で6勝2敗を記録し、地区順位も9位まで浮上した。

チャンピオンシップ進出の可能性はすでに消滅しているが、最近は劣勢でもディフェンスで粘り、競り勝つ展開が目立つ。シーズンの平均失点は84.4ながら、直近6勝のうち4試合で失点が70点未満に抑えた点は見逃せない。若手の台頭もチームの上昇気流を支えている。

千葉Jをアウェーで撃破。游艾喆、西田陽成ら若手が躍動

現在のスターティング5には、26歳以下の選手が3名も名を連ねる。チームに勢いをもたらしているのは、若い力だ。台湾出身のアジア特別枠選手で、B1アシストランキング2位につけている游艾喆(#7/180cm/PG)が司令塔を担い、東海大出身のルーキー・西田陽成(#14/185cm/SG)はシューターとして、さらにチーム屈指のディフェンダーとして台頭。常田耕平(#17/186cm /PG)も球際のアグレッシブなプレーで、レイクスを盛り立てている。

画像: 第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】游艾喆(#7/180cm/PG)(c)B.LEAGUE
第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】游艾喆(#7/180cm/PG)(c)B.LEAGUE

若手の台頭を支えているのが、中堅や外国籍選手たちだ。ベンチスタートながら在籍6シーズン目の野本大智(#16/183cm/PG)がキャプテンとしてチームをまとめ、游のアシストからザック・オーガスト(#0/208cm/C・PF)や、ライアン・クリーナー(#4/208cm/PF)が得点を重ねる。4月11日の第31節、アウェーの千葉ジェッツ戦では、こうしたチームの強みが結実した。

画像: 第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】野本大智(#16/183cm/PG)(c)B.LEAGUE
第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】野本大智(#16/183cm/PG)(c)B.LEAGUE

1万人を超える観衆が集まったLaLaarena TOKYO-BAY。大半がジェッツブースターというアウェーの雰囲気の中、滋賀は1クォーターから主導権を握る。西田やクリーナーが3ポイントシュートを射抜き、岡田泰希(#6/176cm/PG・SG)がスティールから速攻を決めるなど、16-19とリードして立ち上がった。

しかし、第2クォーターに入ると千葉Jが反撃。インサイドを中心に攻め、相手からミスを誘うなど前半を38-30と逆転して折り返す。3クォーターには渡邊雄太(#1/206cm /SF・PF)が12得点を挙げ、57-43とリードを広げた。

画像: 第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】渡邊雄太(#1/206cm /SF・PF)(c)B.LEAGUE
第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】渡邊雄太(#1/206cm /SF・PF)(c)B.LEAGUE

それでもレイクスは崩れない。4クォーター序盤に60-44と16点差をつけられたものの、ここから反撃に転じる。残り8分を切ったところから、前線から連動したディフェンスが機能。西田が富樫勇樹(#2/167cm/PG)に対し粘り強い守備を見せるなど、千葉Jのオフェンスを停滞させた。

攻撃では游を起点に速攻やハーフコートオフェンスで防御を破り、オーガストのアリウープで60-59と1点差に迫る。さらに西田が62-62の同点3ポイントシュートを沈めると、クリーナーの得点で勝ち越し。最終クォーターは10-29と圧倒し、67-72で勝利を収めた。

この日、游はキャリアハイの15アシストをマーク。試合後には、若いチームが自信を持って戦える理由を次のように語った。

「若いからこそ、一生懸命40分間、最後まで一緒になって戦い続けるところが大きいと思っています。オフェンスで活躍できなくても、ディフェンスで40分間やり続ける。そういうところでお互いをかばい合ってチームで40分戦うところが、若い選手がステップアップしていると見てもらえるところだと思います」

兄たちがBリーグで活躍する陽成。指揮官は「もっとできる選手」

そしてこの日、27分1秒の出場で9得点、勝負どころでの3ポイントシュートを沈め、富樫へのディフェンスでも存在感を示した西田は試合後の会見に臨んだ。勝利を収めながらも、スターティング5として流れを明け渡した時間帯を課題に挙げる。

「後半の入りに出ている5人があまりインテンシティ高くやれていなかったことが、一番の問題かなと思っています。勝ち切れたことが良かったですし、勝って反省できるので(収穫として)一番大きいところ」

自身のプレーについても、オフェンス面での改善を口にした。

「相手のサイズが外国籍だけではなく、日本人に対しても、あまり良いクリエイトと言ういますか、アタックしてもキックアウト(パス)などの選択肢も含めて(判断よく)やっていかないといけない。シューターとして最後、同点どころで決めましたが、それ以外のシュートはオープンで打たせてもらっているにもかかわらず、あまり良い確率で決めきれてない(2/7本)。そこは改善していきたいです」

画像: 第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】西田陽成(#14/185cm/SG)(c)B.LEAGUE
第31節【千葉ジェッツ vs 滋賀レイクス】西田陽成(#14/185cm/SG)(c)B.LEAGUE

冷静な受け答えに、他メディアからは喜びの控えめさを問われる場面もあった。西田は思わず苦笑いしながら「個人的には盛り上がるというか、そういう喜び方はあんまりしないんです(笑)。明日も試合があることを考えると、やっぱり考えてしまう。でも、さっきロッカールームでは結構みんな盛り上がっていたので、そこで出しきれたかと思います」と話した。

西田はBリーグでも知られる三兄弟の末っ子。長兄の優大、次兄の公陽はいずれもシーホークス三河でプレーしている。プロ1年目はキャリアの基盤を築く大事な時期であり、レイクスの将来を担う存在としても期待は大きい。浮き沈みに一喜一憂せずに成長を積み重ねる姿勢が、飛躍の糧にもなるのだろう。

前田健滋朗ヘッドコーチも、陽成の活躍を称えながらも期待を込めてより一層の奮起を求めた。

「彼はコートにいるときに常に全力でプレーをしてくれていますし、彼のディフェンスから我々のディフェンスが始まることがかなりあると思っています。そういった意味で彼の貢献は非常に大きいと思いますが、ただ彼はもっとできる選手だと思っています。明日(チームにも求めたように)今日の3倍、4倍やることが彼にとって必要ですし、彼のステップアップには明日それができるか(どうか)というチャレンジが一番大きいと思っています」

画像: 滋賀レイクス 前田健滋朗ヘッドコーチ (c)B.LEAGUE
滋賀レイクス 前田健滋朗ヘッドコーチ (c)B.LEAGUE

翌日のGAME2ではチームは敗れ、西田も18分53秒の出場で2得点にとどまった。

レギュラーシーズンも残りわずか。若きシューターが再び周囲を唸らせる活躍を楽しみにしたい。

他会場の結果。ドラフト組ら新戦力が好プレー

B1 第31節ではCS進出チームが決定した。西地区の長崎ヴェルカがレバンガ北海道とのGAME2を制し、クラブ初のCS出場が決定。B1で一番乗りとなり、初の地区優勝マジックも「6」としている。

一方、東地区では千葉Jが1勝1敗で終え、地区2位から3位へ後退。ワイルドカードでも3位に順位を下げた。代わって群馬クレインサンダーズが連勝を12へ伸ばして地区2位に浮上し、順位争いが混沌としてきた。

また今節は、レイクス以外にも若い力が各地で躍動した。横浜ビー・コルセアーズのドラフト全体3位指名・新井楽人は、アルティーリ千葉とのGAME2で13得点を挙げ、初の2ケタ得点を記録。京都ハンナリーズのドラフト全体7位指名・西部秀馬も初スタメンを飾り、2戦合計で29得点をマークした。

さらに、三遠ネオフェニックスの21歳・湧川颯斗は、仙台89ERSとのGAME2で4本の3ポイントシュートを含む14得点を記録。各地で若手の台頭が光節となった。

【結果】B1 第31節(2026年4月11日 / 4月12日)

・秋田 94-85 越谷 / 秋田 87-85 越谷
・群馬 97-77 川崎 / 群馬 87-64 川崎
・A千葉 69-79 横浜BC / A千葉 81-89 横浜BC
・大阪 91-81 FE名古屋 / 大阪 91-96 FE名古屋
・佐賀 90-89 京都 / 佐賀 83-87 京都
・三河 79-89 名古屋D / 三河 91-61 名古屋D
・千葉J 67-72 滋賀 / 千葉J 104-76 滋賀
・広島 72-68 SR渋谷 / 広島 79-88 SR渋谷
・北海道 82-80 長崎 / 北海道 89-90 長崎
・富山 66-85 宇都宮 / 富山 85-89 宇都宮
・三遠 98-104 仙台 / 三遠 104-99 仙台
・A東京 65-52 島根 / A東京 70-68 島根
・琉球 79-64 茨城 / 琉球 90-58 茨城

【順位表】B1 第31節終了時点(2026年4月12日)

・CS進出ラインあり。★はワイルドカード

東地区
1位|宇都宮ブレックス|39勝13敗(.750)
2位|群馬クレインサンダーズ|36勝16敗(.692)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
3位|千葉ジェッツ|35勝17敗(.673)★WC3位
4位|アルバルク東京|35勝17敗(.673)★WC4位
-------------------------------------------CS進出ライン(WCによる進出)
5位|レバンガ北海道|32勝20敗(.615)
6位|仙台89ERS|31勝21敗(.596)
7位|横浜ビー・コルセアーズ|23勝29敗(.442)
8位|サンロッカーズ渋谷|22勝30敗(.423)
9位|越谷アルファーズ|17勝35敗(.327)
10位|アルティーリ千葉|16勝36敗(.308)
11位|茨城ロボッツ|15勝37敗(.288)
12位|川崎ブレイブサンダース|14勝38敗(.269)
13位|秋田ノーザンハピネッツ|10勝42敗(.192)

西地区
1位|長崎ヴェルカ|41勝11敗(.788)
2位|名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|39勝13敗(.750)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
3位|琉球ゴールデンキングス|37勝15敗(.712)★WC1位
4位|シーホース三河|36勝16敗(.692)★WC2位
-------------------------------------------CS進出ライン(WCによる進出)
5位|三遠ネオフェニックス|31勝21敗(.596)
6位|広島ドラゴンフライズ|29勝23敗(.558)
7位|佐賀バルーナーズ|27勝25敗(.519)
8位|島根スサノオマジック|23勝29敗(.442)
9位|滋賀レイクス|21勝31敗(.404)
10位|大阪エヴェッサ|20勝32敗(.385)
11位|京都ハンナリーズ|18勝34敗(.346)
12位|ファイティングイーグルス名古屋|17勝35敗(.327)
13位|富山グラウジーズ|12勝40敗(.231)

文=大橋裕之

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