Bリーグのレギュラーシーズンも残りわずか。チャンピオンシップ(CS)進出争いに注目が集まる一方で、たとえその目標がなくなったとしても、各チームの奮闘が光る。
B1第33節では、横浜ビー・コルセアーズと、サンロッカーズ渋谷が対戦。ドラフト全体3位指名の新井楽人(横浜BC)が「まだ全然終わりじゃない」と言えば、新人王候補の一人であるジャン・ローレンス・ハーパージュニア(SR渋谷)も「最後の最後まで諦めずにバスケットをしていきたい」と前を向く。若手たちの現在地を聞いた。

熱気に包まれた横浜BUNTAI

4月18日の横浜BUNTAIには4,000人を超えるファンが詰めかけ、会場は熱気に包まれていた。ホームの横浜ビー・コルセアーズは東地区7位、対するサンロッカーズ渋谷は同8位。ともにチャンピオンシップ進出の可能性は消滅しているが、前半と後半で展開が大きく変わる試合に、両チームのファンから歓声とため息が交錯した。Bリーグ10年の積み重ねによる盛り上がりを、あらためて実感させる一戦となった。レギュラーシーズンが佳境を迎える中で、若手の成長や、今年1月のBリーグドラフトで指名を受けた選手の動向にも自然と注目が集まる。

この日、先に主導権を握ったのはSR渋谷だった。昨年12月からスターティング5に名を連ねる新人王候補の一人、ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(#3/181cm/PG)が、ドンテ・グランタム(#1/203cm/PF)らとともに流れを呼び込み、1クォーターを17-28で先行する。横浜BCは、安藤誓哉(#3/181cm/PG)やドラフト全体3位指名の新井楽人(#6/190cm/SG・SF)らが奮闘するも流れを変えられず、2クォーターには3本の3ポイントシュートも許すなど、30-45とリードを広げられた。

画像: 熱気に包まれた横浜BUNTAI

しかし、横浜BCは3クォーターから反撃に転じる。ディフェンスの圧力を高めて12秒バイオレーションに追い込み、オフェンスでは安藤やキーファー・ラベナ(#15/183cm/PG・SG)らガード陣がけん引。25-6のランで55-51と一気に逆転する。4クォーターも堅守を発揮し、わずか9失点に抑える鉄壁ぶりを披露した。対するSR渋谷は、この試合で21ターンオーバーを記録。チームの連動を欠いたオフェンスで失った流れを引き戻せず、69-60で横浜BCに軍配が上がった。

ドラフト3位の新井は「自信」も。意識する同期の存在も

”ハマの海賊”はこの勝利で連勝を5に伸ばし、過去2シーズンを上回る25勝に到達した。4月11日のアルティーリ千葉戦でマイク・コッツァー(#21/209cm/C・PF)がケガから復帰し、今シーズン初出場。新井も4月に入ってから活躍の場面が増えており、チームは追い風に乗っている印象だ。

画像1: ドラフト3位の新井は「自信」も。意識する同期の存在も

この日、新井は11分52秒の出場5得点。2戦連続2ケタ得点を上げた過去2試合に比べて、インパクトは控え目だっただけに、彼は「オフェンスではイージーに決められるシュートを落としてしまったところが反省点。ディフェンスではスカウティングで(対策した)相手の強みのところを1回(対応に)行けなかったところがあったので、そこが今日一番の反省点」と振り返る。一方で、出場時間の増加には確かな手応えも口にした。

「もちろん(プレーが)うまくいっている部分もありますし、うまくいき過ぎているというか、自分でも(B1に)慣れてくれば“できる”という自信もあります。できたことは自信にして、その感覚を残して次の試合、次の試合というふうにステップアップしていきたいと思っています」

画像2: ドラフト3位の新井は「自信」も。意識する同期の存在も

コッツァーの復帰も好影響をもたらしている。新井は「マイクはカッティングへのパス、ハンドオフに行くべきところの状況判断がすごく上手だと思っています。そこは僕もやりやすく感じています」と言う。復帰からこの試合で4戦目を迎え、「この少しの間の中でこれだけ良いバスケットができているのは本当に良いことだと思う。これからの試合もどんどん良くなっていく」と話す。

1月のドラフト指名を経て、徐々に頭角を現してきた新井。ドラフト同期たちの活躍も「結構見ていますね(笑)」と語り、とりわけ京都ハンナリーズの西部秀馬(全体7位指名)は意識しているという。「地元も近いんですよ。愛知県で地区が近いので、小学生の頃から対戦していて意識しています」と明かした。

プロの舞台に適応しつつある22歳にとって、この終盤戦は来季への足がかりとなる時間だ。どんなインパクトを残すのか、注目が集まる。

「CSには行けないのですが、チームとしてもまだ全然終わりじゃないし、最終戦までもっと成長できると思うので、突き詰めるところはどんどん突き詰めて、いろいろなコミュニケーションを取って、頑張っていきます」

“ラスト青学”へ。ハーパーは「感動させられるような」試合を誓う

一方、SR渋谷は前節の群馬クレインサンダーズ戦の大敗(54-91)に続き、この試合も落として連敗となった。

それでも立ち上がりは悲観的な空気を感じさせなかった。ゾラン・マルティッチHCは試合前、「僕たちにもうプレーオフは残っていないが、今日試合が始まるまでの7試合が、僕たちのプレーオフだ」と選手たちに語りかけたという。さらに、どんな状況でも声援を送り続けるファンに対して「尊敬の念をしっかり示そう。そこに対してもプレーしないといけない」と強調した。

画像1: “ラスト青学”へ。ハーパーは「感動させられるような」試合を誓う

若き司令塔のハーパーも「水曜日の試合はファンの皆さんに申し訳ないと思っていました。しっかり成長した姿を今日見せないといけない」と、気持ちを切り替えて臨んだ。

しかし、試合は逆転負け。後半についてハーパーは「ディフェンスにフォーカスができていなくて、相手がシュートを決めているときでも我慢してアグレッシブにディフェンスをしないといけないところをなかなかできずに、みんながオフェンスにフォーカスしていたからこそ負けてしまった」と振り返った。

昨冬からスタメンに抜てきされ、この試合で33試合目(52試合中)の先発出場。平均出場時間も20分を超え、ディフェンス面でチームをけん引してきた存在だけに、その役目を果たせなかった悔しさもにじむ。「後半の始まりにディフェンスでアグレッシブにやらないといけないところを、なかなかできずに、チームのみんなに(ディフェンスの激しさの)スタンダードを見せられなかった」と自省した。

新人王の有力候補の一人でもあるが、「常に全力を尽くしていますし、(新人王は)獲れたら良いなみたいな感じはあるんですけど、特にスタッツを意識しているとかは無いですね」とも話した。

画像2: “ラスト青学”へ。ハーパーは「感動させられるような」試合を誓う

チームは翌19日のGAME2を67-70で制し、連敗を2でストップ。通算成績は23勝32敗。4月25日、26日には青山学院記念館で最後のホームゲームを迎える来シーズンからのB.LEAGUE PREMIER参入に伴い、ホームアリーナは、アルバルク東京が運営するTOYOTA ARENA TOKYOを共同利用するため、拠点も江東区へと移る。思い出の“青学”でのラストゲームに、ハーパーは特別な思いを込める。

「渋谷らしいバスケットをしたい。ファンのみなさんを感動させられるような、渋谷成長したぞという姿を見せられるように、最後の最後まで諦めずにバスケットをしていきたいと思います」

他会場の結果。新たに3チームがCS進出を決める

B1第33節では、長崎ヴェルカに続き、新たに3チームのCSへ進出が決定した。

東地区では、宇都宮ブレックスが群馬クレインサンダーズとの地区首位攻防戦GAME1に82-86で競り勝ち、3シーズン連続8回目のCS進出を決めた。西地区では、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが滋賀レイクスとのGAME1を106-95で制し、2シーズンぶり6回目のCSへ。また、シーホース三河は京都ハンナリーズに2連勝を飾り、3シーズン連続6回目のCS出場権を獲得している。

これでCS出場枠は残り4つ。どこが出場権を手にするのか、目の離せない戦いが続く。

【結果】B1 第33節(2026年4月18日 / 4月19日)

・北海道 94-104 千葉J / 北海道 92-84 千葉J
・横浜BC 69-60 SR渋谷 / 横浜BC 67-70 SR渋谷
・群馬 82-86 宇都宮 / 群馬 74-66 宇都宮
・越谷 66-73 A東京 / 越谷 69-79 A東京
・A千葉 83-65 秋田 / A千葉 75-74 秋田
・広島 102-104 島根 / 広島 72-73 島根
・京都 84-89 三河 / 京都 85-94 三河
・FE名古屋 74-83 佐賀 / FE名古屋 68-103 佐賀
・名古屋D 106-95 滋賀 / 名古屋D 84-86 滋賀
・琉球 102-82 三遠 / 琉球 68-86 三遠
・大阪 98-76 川崎 / 大阪 103-93 川崎
・茨城 69-90 長崎 / 茨城 103-109 長崎
・富山 55-72 仙台 / 富山 92-89 仙台

【順位表】B1 第33節終了時点(2026年4月19日)

・CS進出ライン。CS出場確定:☆
東地区
☆1位|宇都宮ブレックス|41勝14敗(.745)
2位|群馬クレインサンダーズ|38勝17敗(.691)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
3位|千葉ジェッツ|37勝18敗(.673)WC3位
4位|アルバルク東京|37勝18敗(.673)WC4位
-------------------------------------------CS進出ライン(ワイルドカードによる進出)
5位|レバンガ北海道|34勝21敗(.618)
6位|仙台89ERS|33勝22敗(.600)
7位|横浜ビー・コルセアーズ|25勝30敗(.455)
8位|サンロッカーズ渋谷|23勝32敗(.418)
9位|アルティーリ千葉|18勝37敗(.327)
10位|越谷アルファーズ|18勝37敗(.327)
11位|茨城ロボッツ|15勝40敗(.273)
12位|川崎ブレイブサンダース|14勝41敗(.255)
13位|秋田ノーザンハピネッツ|10勝45敗(.182)

西地区
☆1位|長崎ヴェルカ|43勝12敗(.782)
☆2位|名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|41勝14敗(.745)
-------------------------------------------CS進出ライン(地区2位以上)
☆3位|シーホース三河|39勝16敗(.709)WC1位
4位|琉球ゴールデンキングス|38勝17敗(.691)WC2位
-------------------------------------------CS進出ライン(ワイルドカードによる進出)
5位|三遠ネオフェニックス|33勝22敗(.600)
6位|広島ドラゴンフライズ|30勝25敗(.545)
7位|佐賀バルーナーズ|29勝26敗(.527)
8位|島根スサノオマジック|26勝29敗(.473)
9位|大阪エヴェッサ|22勝33敗(.400)
10位|滋賀レイクス|22勝33敗(.400)
11位|京都ハンナリーズ|18勝37敗(.327)
12位|ファイティングイーグルス名古屋|17勝38敗(.309)
13位|富山グラウジーズ|14勝41敗(.255)

文=大橋裕之

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