サッカー男子日本代表がFIFA ワールドカップの舞台で激闘を繰り広げた熱狂が冷めやらぬ中、バスケットボール男子日本代表もまた、2027年にカタールで開催される「FIBA ワールドカップ」への出場を目指して戦っている。代表チームは、7月3日(金)と6日(月)に行われるアジア地区予選「Window3」に挑むため、アウェー2連戦の戦い中。7月3日に敵地で中国に92-73で快勝し1次ラウンド突破を決めた日本は、その勢いを維持したまま6日(月)韓国戦に挑む。
「12年構想」のもとで強化が進む中、この夏は非常に重要な局面を迎える。ここでは、いま大きな注目を集める選手たちを紹介したい。
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五輪3大会を視野に“12年構想”の代表強化

男子日本代表は現在、“12年構想”と呼ばれる中長期的な計画に基づいて強化を進めている。今年5月1日、日本バスケットボール協会(JBA)が記者会見を実施。強化委員長の伊藤拓摩氏は、オリンピック3大会を一連のスパンとして捉え、中長期視点から日本のバスケットボールを強化していく方針を示した。具体的には、2028年のロサンゼルス五輪、2032年のブリスベン五輪、そして2036年の五輪となる。

この構想を進める上で、2年後に控える「FIBA ワールドカップ 2027」への出場は、五輪に向けた最初の大きな関門となる。カタールで開催されるこの世界的な祭典で、アジア参加国中で最上位の成績を収めることができれば、ロサンゼルス五輪への道が開かれるからだ。前回2023年大会では、日本が歴史的な3勝を挙げてアジア最上位を達成し、48年ぶりとなる自力でのパリ五輪出場権を獲得した。

では、カタールW杯への切符をつかむためには、どのような道のりが必要なのだろうか。男子日本代表は現在、アジア地区1次予選を戦っており、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイと同組のグループBで、3勝1敗の首位に立っている。7月3日と6日には1次予選の「Window3」が控えており、ここで確実に結果を残してグループ上位3チームに入れば、2次予選へと進出できる。

8月から戦いがさらに一段と激しさを増し、来年2月までに計3回のWindow(Window4:8月、Window5:11月、Window6:2027年2月)が開催される予定だ。2次予選では、進出した12チームが2つのグループに分かれてホーム&アウェー方式で試合を行い、最終的に各グループの上位4チームにワールドカップ本大会への出場権が与えられる仕組みとなっている。

5月には、長崎ヴェルカの初優勝という劇的な幕切れで現行レギュレーションのBリーグがフィナーレを迎えた。今秋に控える「Bプレミア」開幕に向け、現在はBリーグのオフシーズンにあたるが、男子バスケ界ではこの夏も目が離せない注目の試合が続いていく。

画像: あいさつする日本代表 バスケW杯アジア1次予選 中国に敗れ、観客にあいさつする日本代表=沖縄サントリーアリーナ(2026年2月)© KYODO NEWS IMAGES

あいさつする日本代表 バスケW杯アジア1次予選 中国に敗れ、観客にあいさつする日本代表=沖縄サントリーアリーナ(2026年2月)© KYODO NEWS IMAGES

今夏はワールドカップ予選と、アジア競技大会に注目

さらに、この夏に注目すべき戦いはワールドカップ予選だけではない。9月10日(木)から26日(土)にかけて、愛知県で「第20回アジア競技大会」が開催される。伊藤強化委員長は、6月8日に行われたメディアブリーフィングの中で次のように方針を語った。

「ワールドカップ出場に向けた試合に力を入れていくところと、アジア競技大会も日本で開催されますので、メダルを獲れるようなチーム作りをしなければいけない。この2つに向けて、しっかりと強化をしていく」

このメディアブリーフィングが行われた当日からは、アジア競技大会選考と若手育成を兼ねた第1次強化合宿もスタートした。この合宿には、BリーグやNCAAで活躍する若手選手だけでなく、経験豊富なスタッフ陣も数多く招集されている。伊藤氏は「中長期で日本代表を強化するため、選手もそうですし、コーチ、その他専門家の皆さんもしっかり強化したいということで、今回集まっていただきました」と、日本代表という組織の層を厚くする狙いを明かした。

また、この合宿について次のようにも語っている。

「ディベロップメント(第1次強化合宿)から、選手によってはFIBA Window(アジア地区予選)に行く選手もいれば、アジア競技大会に選ばれる選手、ジョーンズカップ(台湾で開催される国際大会)に行く場合もあります。一貫しているのは中長期の強化であり、日の丸を背負い、代表として試合をする。その中で国際基準、他の国と戦うことはどういうことなのか。どういったバスケットをしているのか。自分が今、代表における立場がどこで、どんな課題があるのか。そういったものを感じてもらえるように、この夏を過ごしてもらえれば」

その言葉通り、Window3に向けた第2次強化合宿には、この第1次強化合宿から高島紳司(宇都宮ブレックス)、黒川虎徹(アルティーリ千葉)、狩野富成(サンロッカーズ渋谷)、小川敦也(宇都宮ブレックス)、山ノ内勇登(オーラル・ロバーツ大学)、川島悠翔(シアトル大学)の6人がコールアップされた。

注目の選手5人!比江島慎は2年ぶりの代表復帰

来るWindow3は2次予選進出に向けて負けられない戦いだ。JBAが公開している第2次強化合宿レポートによると、同合宿のメンバーから16名を選んでアウェーに向かい、試合ごとに12名のロスターを選出するのが桶谷大ヘッドコーチの意向だという。

ここで5人の注目選手にフォーカスを当てたい。※以下、選手のコメントは同合宿レポートより引用

まず注目したいのは、長崎ヴェルカをリーグ初優勝に導いた馬場雄大だ。Bリーグでは平均12.3得点、同3.9リバウンドと攻防両面で輝きを放ち、代表でもアジア地区予選全4試合でスターターを務めている。彼は「常に代表への思いは強く持っていますが、今回は単に優勝しただけでなく、ファイナルを非常に良い形で戦えた実感があり、そのポジティブな感覚を代表活動に繋げられたらという気持ちです」と、活躍が楽しみなコメントを残している。

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馬場とともに欠かせないのが、アジア地区予選全4試合でスタメン起用されている渡邊雄太と、ジョシュ・ホーキンソンだ。千葉ジェッツ所属の渡邊は、Bリーグで平均13.5得点、平均4.8リバウンドをマーク。代表でも中軸を担い、競り勝ったホームの韓国戦では、5本の3ポイントシュートを射抜くなど15得点を挙げた。

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サンロッカーズ渋谷のホーキンソンも、チームの屋台骨だ。Bリーグでは平均15.8得点、平均7.3リバウンド、3ポイント成功率39.8パーセントと高い水準を誇る。代表でもインサイドの柱として頼もしく、アウェーの台湾戦では40分フル出場で13得点11リバウンドのダブルダブルを記録した。

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さらに、ホーキンソンらと好連携を見せているのが、齋藤拓実だ。所属先の名古屋ダイヤモンドドルフィンズでは平均12.4得点、平均5.4アシストを記録するリーグ屈指の司令塔。アジア地区予選はWindow1から全4試合でスタメンに起用され、韓国戦では終盤3ポイントシュートを射抜いて試合を決定づけた。今大会は富樫勇樹が招集されておらず、齋藤にかかる期待は大きい。

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一方で、第2次強化合宿では追加選手として、宇都宮ブレックスの比江島慎も2年ぶりに代表復帰を果たした。比江島は復帰の背景について次のように語り、熱い思いをにじませた。

「2番(シューティングガード)と3番(スモールフォワード)のポジションでもう一度力を貸してほしいと言っていただき、少しでも力になれればという思いで今ここにいます。とは言っても、コンディションはまだ100%の準備ができているわけではないので、まずはそこを100%に戻すのが大前提です。もし選ばれるのであれば、コーチが重要視しているペイントエリアへのアタックを意識してプレーしたいです。5分や10分といった短い時間でも活躍できる自信はあります。そういったところでチームを繋いでいきたいと思っています」

バスケファンをワクワクさせる夏が始まる!

7月3日(金)に敵地で中国に92-73で快勝し1次ラウンド突破を決めた日本は、その勢いを維持したまま韓国戦に臨む。ロサンゼルス五輪につながる大事な2連戦を前に渡邊からは「東京とパリを合わせて6連敗に終わっているので『オリンピックで勝ちたい』という気持ちは強くなりました。まずはロサンゼルス五輪への切符を勝ち取らなければいけませんが、絶対にロスに出て、そこで勝ちたい。その思いはパリが終わってより強くなりました」という熱い声が聞かれており、気持ちのこもった熱戦が見られそうだ。

また、8月9日(日)、10日(月)にはSAGAアリーナで、8月15日(土)、16日(日)には有明アリーナで、男子代表の国際強化試合も発表されている。アジア競技大会も含め、若手選手たちが出場する貴重な機会にもなるだろう。日の丸を背負った選手たちが、国内外でバスケットボールファンをワクワクさせてくれる夏がいよいよ始まっていく。

『FIBAバスケットボールワールドカップ2027』アジア地区予選Window3

 【第1戦】
 日程:2026年7月3日(金)開始時間 20:30
 対戦:日本代表(世界22位)vs 中国代表(世界26位)
 会場:Liaoning Gymnasium(中国・瀋陽市)
 放送|配信:20:24〜 BS日テレ生放送|DAZN/TVer 生配信 

 【第2戦】
 日程:2026年7月6日(月)開始時間19:30
 対戦:日本代表(世界22位)vs 韓国代表(世界56位)
 会場:Goyang Gymnasium(韓国・高陽市)
 放送|配信:19:00〜 BS朝日生放送|ABEMA/DAZN/TVer 生配信

『バスケットボール男子日本代表国際試合』(予定)

・8月9日(日) 開始時間 14:00 日本代表 vs 男子モンゴル代表
・8月10日(月)開始時間 18:00 日本代表 vs 男子モンゴル代表
・8月15日(土)開始時間 19:00 日本代表 vs 男子韓国代表
・8月16日(日)開始時間 19:05 日本代表 vs 男子韓国代表

各大会の詳細は、日本バスケットボール協会の公式サイトを参照(以下外部リンク)
https://www.japanbasketball.jp/

文=大橋裕之

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