国際強化試合のラトビア戦で連勝し、声援に応える高田真希=5月、横浜BUNTAI
9月4日にドイツ・ベルリンで開幕する「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」。大会開幕まで1か月を切った8月中旬、女子日本代表は「三井不動産カップ2026(東京大会)」で韓国代表との2連戦に臨み、劇的な逆転勝ちを含む2連勝を飾った。しかし、試合直後にチーム最年長のベテラン・髙田真希が口にしたのは、勝利の喜びではなく冷静な課題だった。日本バスケットボール界の歴史に刻まれる「5大会連続W杯選出」という偉業を果たした大黒柱が、自身5度目の世界大会に挑む胸中に迫る。

「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」は、テレビ放送や各種配信サービスで視聴可能。記事末では日本戦の放送・配信スケジュールも紹介する。

劇的勝利の陰で見えた課題――試行錯誤が続く守備の修正

8月中旬、女子日本代表は有明アリーナにて「三井不動産カップ2026(東京大会)」に臨んだ。

女子韓国代表との2連戦となった今大会は、第1戦は快勝したものの、翌日の第2戦は前日とは異なり、試合終了間際までもつれる展開となった。それでも残り0.2秒、田中こころ(ENEOSサンフラワーズ)の逆転を懸けた3ポイントシュートが決まり、78-77で勝利。この劇的な幕切れに会場は歓喜に沸いた。

画像: バスケ女子国際強化試合  韓国に勝利し、手を振る馬瓜ステファニー(3)ら日本の選手たち=8月、有明アリーナ(共同)
バスケ女子国際強化試合  韓国に勝利し、手を振る馬瓜ステファニー(3)ら日本の選手たち=8月、有明アリーナ(共同)

しかし、試合直後に取材エリアに現れた髙田真希(デンソーアイリス)は、「出だしのところで相手にペースをつかまれてしまったことでタフなゲームになってしまったと思います。ディフェンスをいろいろと試しているとはいえ、後手後手になってしまい、なかなか自分たちのペースに持っていけなかったことが、こういうゲームをしてしまった要因なのかなと思います」と、冷静に試合を振り返った。

このコメントにもあるように、韓国との2試合について、髙田が真っ先に課題として挙げたのがディフェンスだ。

「第1戦のゲームも失点を抑えているとはいえ、正直、自分の手応えとしては、ディフェンスに関してはまだまだ納得がいってないです。ディフェンスで簡単に相手に点を取られてしまうと、どうしてもハーフコートバスケットになってしまい、自分たちのやりたいバスケットができなくなってしまいます。(2試合ともに)ディフェンスではもう少し細かいところを詰めていかないと、ワールドカップでは難しくなってくるし、自分たちのペースになりにくいのかなと思います。ただ、今は(ディフェンスを)試している段階ではあるので、これからの合宿で詰めていけるとは思います」

「一番大事なのは喋ること」。実戦から得た本番への教訓

「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」まで約3週間でのタイミングで開催された三井不動産カップ。考え方によっては、チームディフェンスの進捗状況や本番に向けた改善点を知ることができた2試合ともいえる。

「そうですね。練習で準備していてもいざ試合になったときに練習通りできるかというと、そこはまた少し状況が変わることもあります。そうしたときに力を発揮する難しさも(韓国戦を通して)理解できたと思います」と、髙田も言う。

また、それを踏まえた上で「解決するには、一番は喋ること」と、コミュニケーションの重要性も語った。

「本当に喋ることの大事さというのが一番分かったと思います。練習の中にエラーは必ず起きるので、そういったときにいかに喋って解決できるか。それはこの2試合で学んだことだと思います」

 

追い掛ける展開となった三井不動産カップでの第2戦。髙田は、「常に準備をしていて、パスが来たときはまずシュートを狙い、その中で状況判断をしっかりするということを心がけていました」と言うように、要所での得点が光り9得点。リバウンドも7本を奪い、逆転勝ちに一役買った。

ポジションはセンターだが、インサイドプレーから3ポイントシュートと攻撃の幅は広く、ディフェンスでも流石の動きで数字に現れない動きでもチームに貢献する髙田。そして何より試合の流れを読み、状況に合わせた的確なプレーでチームを引っ張るのはベテランのなせる技だろう。

画像: 日本―韓国 第4クオーター、シュートを放つ高田=8月、有明アリーナ(共同)
日本―韓国 第4クオーター、シュートを放つ高田=8月、有明アリーナ(共同)

長友佑都に並ぶ偉業。5大会連続のW杯へ込める想い

女子日本代表にとって今年の大一番となる女子ワールドカップはドイツ・ベルリンにて9月4日から始まる。日本バスケットボール協会は三井不動産カップから約1週間後、ワールドカップの出場メンバー12名を発表した。もちろん、そこに髙田の名前もあった。

高田は、チーム最年長というだけでなく、出場すればワールドカップは実に5大会連続となる。これは大きな偉業でもあり、サッカーの「FIFAワールドカップ2026」(今年の6月から7月にかけて開催)に出場した男子サッカー日本代表でいえば、長友佑都(FC東京)と同じ記録だ。髙田自身はメンバー発表となったワールドカップ壮行記者会見で、5大会連続の選出についてこのように語っている。

「最初に(日本代表に)選ばれたときは2010年だと思うのですが、そのときはベンチにいることが多かったので、本当に何もできない状況でした。世界をはじめて経験し、世界ってこんなにレベルが高いんだというインパクトを受けたのを今でも覚えてます。そういった経験も含めて、今こうして5回目のチャンスを頂けるというのはすごくありがたいですし、何もできない状況からチームの勝利に貢献するというところに成長できたことは、自分自身、これまでいろいろな経験をし、悔しい経験もしてきた結果がこうなってるのかなと思います。ワールドカップでは納得いくような結果は出せていないので、今回はそういった経験をたくさんしてきたからこそ、チームの勝利に貢献したいという思いが強いです」

2010年、当時21歳の髙田が初出場を果たした女子世界選手権(現在の女子ワールドカップ)はチェコで行われ10位。その後も2014年大会(トルコ)で14位、2018年大会(スペイン)と2022年大会(オーストラリア)はともに9位と、過去4大会ではベスト8入りを逃している。それだけに、髙田が今大会に懸ける思いも強い。

画像: 日本―台湾 第2クオーター、シュート放つ高田=2010年、広州国際体育芸術センター(共同)
日本―台湾 第2クオーター、シュート放つ高田=2010年、広州国際体育芸術センター(共同)

日本代表の現在地をしっかりと把握し、今できることにフォーカスしてコツコツと取り組む。そんな日本のリーダーは、自身5度目の世界大会でどのようなパフォーマンスを発揮するのか。大会初戦、日本はマリと対戦。日本時間4日の18時30分にティップオフとなる。

「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」 放送・配信スケジュール

第1戦 vs. マリ
■日程 2026年9月4日(金)18:30
■放送・配信
【地上波フジテレビ、CS放送フジテレビ ONE/TWO/NEXT 、FOD 、DAZN】

・地上波:フジテレビ 24:45~
・CS:フジテレビ NEXT 25:00~
・FOD 18:20~
・DAZN LIVE 配信

第2戦 vs. ドイツ
■日程 2026年9月5日(土)25:00
■放送・配信 
・地上波:フジテレビ 26:15~
・CS:フジテレビ TWO 24:50~
・FOD 24:50~
・DAZN LIVE 配信

第3戦  vs. スペイン
■日程 2026年9月7日(月)24:50
■放送・配信
・地上波:フジテレビ 24:45~
・CS:フジテレビ NEXT 24:35~
・FOD 24:35~
・DAZN LIVE 配信

※開催地はいずれもドイツ・ベルリン

【取材・文=田島早苗】
『月刊バスケットボール』(雑誌)『バスケットボールキング』(WEB)の編集部を経てフリーランスに。中学や高校、大学などの学生をはじめ、WリーグやBリーグ、男女日本代表と様々なカテゴリーを幅広く取材している。

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