かつてJリーグのアルビレックス新潟でプレーしたブラジル人FWチアゴ・ガリャルド。
母国で所属クラブを相手取って裁判を起こし、物議を醸している。
ブラジルメディア『Globo Esporte』は25日、ガリャルドが給与未払いを理由に、自身が所属する同国3部サンタ・クルスFCを全国紛争解決委員会(CNRD)へ提訴し、即時契約解除を求めていると報じた。
2017年にポンチプレッタから新潟に期限付き移籍したガリャルドは、素行不良が目立ち、J1通算23試合で3得点と、結果を残せなかった。
このシーズン、最終的に新潟はJ2に降格している。
だが、2020年に入団したインテルナシオナルでは、チームのエースとして活躍。同年にブラジル代表にも招集され、翌シーズンにはスペイン1部のセルタへ移籍した。
その後、母国に戻ってプレーしていたガリャルドは、今年2月に当時4部のサンタ・クルスと契約。ブラジル代表経験もあるガリャルドの入団は「ブラジル中を止めた」とまで言われたビッグニュースだったという。
今季ガリャルドは、リーグ戦24試合で7得点を挙げてチームの3部昇格に貢献。昇格の立役者となった同選手は「ここが僕の家だ」と涙ながらに語った姿はサポーターの心をつかんだ。
この感動的な最終節でのシーンの数日後に起こったガリャルドとクラブの法廷闘争は、ブラジル国内でも大きく報じられ、衝撃を与えている。
未払いの期間は明らかになっていないが、同メディアによると、ガリャルドは残り契約期間の12カ月分の給与に、肖像権や休暇手当、年末手当などを合わせた総額300万レアル(約8700万円)の支払いを要求しているという。
一方のサンタ・クルスは「完全に寝耳に水」と給与未払いを否定し、唯一チームの練習始動日に姿を現わさなかったガリャルドとの緊急協議に入る予定だ。
本人は地元ラジオで「訴訟は起こしていない」と話したが、『Globo Esporte』は「現在CNRDに確認を取っている」と伝えている。
情報が錯綜しているこの法廷闘争の報道が、どのような決着に終わるのか、注目が集まっている。
筆者:江島耕太郎(編集部)
