ニューカッスルは25日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)第5節で、マルセイユとアウェイで対戦し、1-2で敗れた。
この日、サポーターもトラブルに巻き込まれていたという。
同クラブは27日、CLマルセイユ戦後にスタッド・ヴェロドロームで自クラブのサポーターが「不必要かつ不相当な力」で警察から無差別に暴行を受けたとして、UEFAとフランス当局に苦情を申し立てる方針を発表した。
発表によると、試合終了後、アウェイサポーターは安全確保のため一時待機が指示されていたが、最初の集団が開放された直後、警察が残っていたサポーターの移動を阻止しようとして催涙スプレーや警棒を使用したという。
同クラブは、アウェイ席のコンコースの一部に大勢の人が詰めかけて圧迫が生じ、現場のスタッフが警察に対応を求めたものの、状況改善には至らなかったと伝えた。
現場は騒然とし、複数のサポーターが動揺していたそうだ。
イギリスメディア『BBC』は、42歳のシーズンチケット保持者の声を取材。「非人道的だった」と述べ、約10時間におよぶ拘束と無差別な暴行を受けたと主張した。
さらに、待機場所のトイレが溢れ、サポーターが汚水の上で立たされる状況も報告されているという。
現地警察は「アウェイ席で群衆の圧力が高まり、CRS(治安部隊)の介入が必要となった。そのうち1名が非常に限定的に催涙スプレーを使用した」と主張。
マルセイユ側も、事前に合意された運営計画に沿って誘導を行い、トイレの溢れは「故意の破壊行為があった」と説明している。
『BBC』によると、フランスでの試合運営をめぐる懸念はここ数年続いているという。
パリ開催となった2022年のCL決勝の混乱を皮切りに、マンチェスター・ユナイテッドやトッテナムのサポーターも危険な対応を訴えており、欧州サポーター団体FSEは「フランスの警備体制には体系的な問題がある」と警鐘を鳴らす。
フランスは今後、UEFAヨーロッパリーグ(EL)やUEFAカンファレンスリーグ(ECL)、女子CLなど、複数の欧州大会決勝の開催地に立候補している。
UEFAは必要に応じて開催地の変更の権限を持つが、実行には至っていない。今回のニューカッスルの抗議は、フランスの安全対策に対する国際的な議論をさらに高めることになりそうだ。
筆者:江島耕太郎(編集部)
