欧州遠征を行った中国女子サッカー代表が立て続けに大敗を喫し、中国国内で危機感が高まっている。

中国メディア『搜狐』によると、同国女子代表は先月29日にイングランド相手に0-8で惨敗したのに続き、2日のスコットランド戦でも2-3で敗れ、2試合で11失点という過去に例のない低迷ぶりが議論を呼んでいる。

特に衝撃を与えたのは、FIFAランキングで16位の中国が、20位圏外のスコットランドを相手に前半わずか4分間で3失点したことだ。

近年の中国女子代表は世代交代の難航やリーグ環境の弱体化など構造的な問題を抱えていたが、その脆さが一気に露呈した形となった。試合は後半に2点を返したものの、内容的には完敗だったと評価されているという。

こうした現状に、中国の著名サッカー記者・馬徳興氏が強い怒りを示した。

『搜狐」によれば、馬氏は試合中に複数回SNSを更新し、「5分で3失点とは何事か」「この監督を選んだ責任者は誰だ」と中国サッカー協会とオーストラリア出身の指揮官、アンテ・ミリチッチ監督を批判。さらに「出ていけ」と強い言葉を連呼し、厳しく協会の姿勢を問いただしたという。

馬氏がここまで声を荒げた背景には、男子代表に続き女子代表までもが競技力低下に歯止めをかけられていない“中国サッカー全体の構造的危機”がある。特に近年は若手育成の停滞、国際経験の不足、協会の迷走した指導者選定など、問題が複合的に積み重なっていると指摘されている。

中国女子代表は来年3月にアジアカップを控えるが、このままでは「惨敗は避けられない」と国内メディアは警鐘を鳴らす。

国際舞台で再び存在感を示すためには、監督人事の見直しだけでなく、育成・リーグ改革を含めた抜本的な改善が求められている。

筆者:江島耕太郎(編集部)

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