国際サッカー連盟(FIFA)で審判委員会の委員長を務めているピエルルイジ・コッリーナ氏は、来年行われるFIFAワールドカップにおけるVARシステムの変更に賛成していることを明らかにした。
『BBC』や『DailyMail』の報道によれば、コッリーナ氏は金曜日にアメリカ合衆国の首都ワシントンで行われた講演において、コーナーキックの判定をVARの対象にする可能性が高いことを確認したという。
コーナーキックの判定をVARの対象にする案は以前から提案されていたが、10月に行われた国際サッカー評議会の会合において否決されていた。
しかしながら、現在FIFAはそれを2026年のワールドカップ本大会において試験的にこのルールを導入することを計画しているという。
コッリーナ委員長はその理由について、コーナーキックの場面では自然にタイムラグができることや、試合の結果を左右する可能性が高い場面であることをあげている。
「主な基準としては、VARによる遅延があるかないかである。コーナーキックの場合は、生理的に遅延が発生するものだ。通常、センターバック2名が前線まで出てくるのを待つからだ。
攻撃陣の準備には通常10秒から15秒を要する。その間に、コーナーキックの判定が誤っていた場合、その証拠をVARで見つけることができる。
なぜ我々は砂の中に頭を隠して、(誤って与えられた)コーナーキックで何も起こらないことを祈らなければならないのか?
我々全員が、競技場で正しい判定を下すことを目標にすべきであると思う。競技の結果が、選手の行動ではなく判定者のミスによって決まってしまうのは残念なことだ。
それが、13〜14年前に我々が審判をテクノロジーで助ける方法を考え始めたきっかけである。だから、これが実現できれば私にとっては非常に前向きなことだ。
我々は議論を行い、その結果がどうなるかを見ていくつもりだ。なぜなら、この目的は価値があるものだと思うからだ」
コーナーキックでのVAR判定については、1月に行われる次回の国際サッカー評議会での会合において更に議論が進められる予定になっている。
なお、VARの判定があったとしても、審判は試合の再開の決定を変更することができないため、コーナーキックが行われてしまったあとはプレーを続行しなければならない。ショートコーナーで素早くスタートする場合にはどうなるかなど、細かい部分の議論が今後必要になりそうだ。
なお、10月の会合においては「レッドカードとして扱われる2枚目のイエローカードの判定もVARの対象になる」ことも議論され、こちらについては同意を得られているようだ。
筆者:石井彰(編集部)
