サッカー界のスーパースターが、“あるレース競技”に本格参入した。
英国メディア『BBC』によると、フランス1部モナコの元同国代表MFポール・ポグバが、サウジアラビアを拠点とするプロラクダ競走チーム「アル・ハブーブ」に投資し、株主兼アンバサダーに就任したという。
ラクダレースは中東で古くから親しまれてきた伝統競技で、サウジアラビア、UAE、カタールなどでは国民的スポーツとして人気を誇る。
競走用ラクダは血統や育成で価値が跳ね上がることもあり、トップクラスの個体には数千万円以上の値がつくケースも珍しくない。近年はロボット騎手の導入や国際大会の増加で、競技としての近代化も急速に進んでいる。
そうした中でのポグバの参入は、現地でも大きな話題となった。
同選手は「YouTubeでレースを研究し、関係者の献身性に感銘を受けた」と語り、スポーツとしての奥深さに惹かれたと明かした。
「意外に思う人もいるかもしれませんが、スポーツは必ずどこかでつながってくるものです。サッカーでもラクダレースでも、ボクシングでも基礎となる部分は同じ。必要なのは決意、集中力、規律、そして粘り強さ。それこそがチャンピオンをつくるのです」
現在32歳のポグバは、かつてユヴェントスやマンチェスター・ユナイテッドなど世界的なビッグクラブで活躍し、2018年のワールドカップでは決勝でフランスを優勝に導くゴールを記録した。
現在はモナコに所属し、日本代表FW南野拓実とチームメイトとしてプレーしている。
またポグバは、かつて世界最高額の移籍金を記録した自身のキャリアに触れつつ、「世界で最も高価なサッカー選手であることは名誉でしたが、その裏には多くの努力やプレッシャー、責任が伴いました。いつか“世界一高価なラクダ”を所有できたら、これまでの歩みがつながる美しい瞬間になるでしょう」と語り、新たな挑戦への意欲を示した。
アル・ハブーブの創設者は「彼の参加は変革そのもの」と述べ、競技のグローバル化に向けた象徴的存在として期待を寄せる。
ポグバは先月22日に長い出場停止期間を終えてピッチに復帰したばかりだが、早くも同選手の活動の幅はサッカーの枠を大きく超えつつある。
欧州の名選手が飛び込んだ“砂漠のスポーツ”は、世界中のスポーツファンにとっても新たな興味を呼び起こす存在になるだろうか。
筆者:江島耕太郎(編集部)
