ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで、中国代表としてショートトラックに出場した林孝埈(リン・シャオジュン)。
期待を大きく裏切る不振に陥り、中国メディアと世論から痛烈な批判を浴びている。
中国大手メディア『新浪体育』は13日、男子1000メートル準々決勝での最下位敗退を「終始最下位でまったく反撃できず!林孝埈、英雄の晩年。黄金期を中国ショートトラックに捧げられず無念」と題した記事で厳しく断じた。
同記事では「レースを通じてスピードを上げたり、ポジション争いを仕掛けたりする場面はほとんど見られなかった。立ち向かう姿勢を示せなかった」と指摘し、「英雄の老い」という言葉で29歳の衰えを強調。
平昌五輪で1500メートル金メダルなど輝かしい実績を残した過去と対比し、「かつての彼を知る観客にとっては“英雄の老い”という嘆きを避けられない」と手厳しい評価を下した。
さらに、長期の高強度トレーニングと複数回の肩手術による傷病が体力を奪い、「身体がもう許さない」との無念さを伝えつつも、帰化後の北京五輪出場禁止期間で「黄金期を中国に捧げられなかった」ことを惜しむ内容となっている。
韓国出身の林は、「イム・ヒョジュン」の名で、韓国代表として平昌オリンピックに出場。男子ショートトラックの1500メートルで金メダル、500メートルで銅メダルを獲得した。さらに2度の世界選手権出場で、6つの金メダルと2つの銀メダルを獲得するなど、ショートトラックの世界的選手として活躍していた。
しかし、2019年に同じチームの後輩のズボンを下ろすといった強制的なわいせつ行為が明らかになり、大韓氷上競技連盟から1年の資格停止処分が下された。
韓国で選手生活の続行が厳しくなった同選手は、2020年末に中国へ特別帰化。中国代表として臨んだ2023年のソウルでの世界選手権では金メダルと銀メダルを1つづつ、2024年のロッテルダム大会では3つの金メダルを獲得した。
中国から大きな期待を背負って出場した今オリンピックだったが、ショートトラック男子1000メートル準決勝では5人中最下位。予選では相手選手のペナルティにより、アドバンスで通過したが、準々決勝で早々に敗退し、期待を裏切る結果に終わった。
同メディアは、「新人輩出の時代に、宝刀不老の神話を演じるのは難しかった」と締めくくり、栄光の過去と現在の落差を冷静に分析している。
かつて韓国代表として世界を驚かせた林が、中国代表として迎えた初の五輪で味わう厳しい現実。中国ファンの熱狂が冷めた今、彼の挑戦は新たな試練の局面を迎えている。
筆者:江島耕太郎(編集部)


