サッカーのW杯・北中米大会は14日(日本時間15日)、1次リーグF組の2試合が行われた。

サッカー日本代表はオランダ代表と対戦。2度のリードを許すも追いついて、2対2で引き分け、勝点1を獲得した。

準優勝3回の強豪国と顔を合わせた日本代表の初戦を、ブラジルでプロ選手としてプレーした経験を持ち、『サッカーに詳しすぎる市議会議員』としても知られる桐木優氏に振り返ってもらった。

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〈日本〉GK:鈴木彩艶、DF:伊藤洋輝、渡辺剛、谷口彰悟
MF:鎌田大地 佐野海舟、久保建英、堂安律、前田大然、中村敬斗 FW:上田綺世 

〈オランダ)GK:バルト・フェルブルッヘン、DF:フィルヒル・ファンダイク、ヤン・ポール・ファンヘッケ、ミッキー・ファンデフェン、デンゼル・ダンフリース、MF:ライアン・フラーフェンベルフ、ティジャーニ・ラインデルス、フレンキー・デヨング、FW:コーディ・ガクポ、ドニエル・マレン、クリセンシオ・サマーフィル

FIFAワールドカップ2026北中米大会がいよいよ開幕。強豪オランダとの初戦に臨んだ日本代表は、2度リードされるもその都度追いつき、2-2の引き分けで貴重な勝点1を獲得しました。

リスクを避け合う序盤戦

お互いにリスクを避ける序盤戦はオランダ代表のペースで進みました。

日本代表は、鎌田大地選手のスルーパスか久保建英選手の個人技を生かしたいところでしたが、オランダ代表のアンカーを務めるデヨング選手(FCバルセロナ)が、守備時に久保選手を追いかけて最終ラインまで下がるため、久保選手はボールに絡めないし、鎌田選手はスルーパスのスペースがないし、と手づまり状態が続きました。

たとえば後半11分あたりで見せた、久保選手が下がり、鎌田選手が裏抜けする形なんかを多く作れれば、もっと違った展開が訪れたのかもしれませんが、久保選手も意外とボールロストが多めな選手だったりするので、もしかすると「リスクが大きすぎる」というチームの判断で控えたのかもしれません。

また、珍しくファーストプレイで逆サイドが見えていないかった鎌田選手も、そのせいで「最終ラインからのラストパス狙い」という安全第一のプレイに徹していて、「ははぁ、ワールドカップ初戦だものなあ……」という感じでした。

対するオランダ代表は、試合の序盤は日本代表の最終ラインをボール取りどころに設定していたように感じました。

しかし、前半11分頃に鎌田選手がボールのコントロールをミスしながらも建て直し、その後に相手を軽くいなして、中央突破を成功させるのを見てからは、オランダ代表は前線への積極的なプレスをかけることもなくなりました。

オランダ代表のこの辺りの判断の早さと、チーム内の情報共有に「さすがだな」と感じつつも、結局は日本代表もボールを前線に運べなかったので、ボール保持率の高いオランダ代表が「果たしてどのように日本代表を崩していくのかな?」という序盤戦に大きな変化はありませんでした。

ガクポ選手の個人技と、右サイドの攻撃で日本ゴールに迫る

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日本代表は、通常「3-4-2-1」のシステムを採用しています。

しかしこの試合では、守備のときは上田綺世選手がオランダ代表のMF・デヨング選手を背中で見ながら、前田大然選手が前線から縦横無尽に走り回る「4-4-2」の陣形を採用していました。

ただ、左サイドの前田大然選手と中村敬斗選手、伊藤洋輝選手がそれぞれ一つ前に出て、「4-4-2」の陣形に移行しようとする際に、一瞬だけ前田選手の裏にスペースが生まれてしまいます。

そこでオランダ代表はそのスペースを使おうとしましたが、どこからともなく前田選手がすごい勢いで迫ってくるので、オランダ代表はそれほど守備の強度が高くない日本代表の右サイドからの攻めを選択します。

しかし、オランダ代表も左SBに入ったファンデフェン選手(トッテナム)が、さほどオーバーラップに積極的ではなかったため、左WGのガクポ選手の個人技に頼らざるを得ませんでした。

もし、中央に縦パスを入れられたら、また違う展開になっていたような気もしますが。縦パスが入ってきたのは、ファーストシュートでガクポ選手からトップに当てた場面くらいでした。

日本代表の右サイドは堂安律選手を中心に粘り強く耐え続け、攻め手を欠くオランダ代表は前半22分、CBのファンヘッケ選手(ブライトン)が左インサイドのラインダース選手(マンチェスター・シティ)に中を通そうとするもトラップミスに終わり、リズムが掴みきれないままハイドレーションブレイクに入りました。

オランダ代表が縦パスからリズムを作り始める

画像: (C)Getty Images 後半には得点を奪う中村選手だが、前半はサマーフィル選手の対応に苦戦を強いられた

(C)Getty Images 後半には得点を奪う中村選手だが、前半はサマーフィル選手の対応に苦戦を強いられた

ハイドレーションブレイクの間に、修正が入ったオランダ代表は、インサイドハーフが中に入り、縦パスを通してボールをもらおうとする動きを見せ始めると、徐々にオランダ代表が主導権を握る展開に。

対する日本代表は、ミスも重なりピンチを招くも、谷口彰悟選手の身体を張ったプレイやGK・鈴木彩艶選手の驚異的な反応で、何とか失点を免れながら時間は経過していきます。

何とかしたい日本代表も修正を加え、個人技に長けた右ワイドのサマーフィル選手(ウエストハム)への対応は、1対1の守備で劣勢が続いていた中村選手に代わり、守備力の高い伊藤洋輝選手が任されるようになりました。

中村選手は、ここからはSBでありながらも繰り返し後ろからのオーバーラップを仕掛けてくるダンフリース選手(インテル)を見る役割を担うことになります。

また、この時にゴールキックを繋ぐのに苦戦していた日本代表は、「どうせトップに収まらないのなら……」と、ボールを蹴りだすように修正。この変更がそれなりに功を奏し、いくつかチャンスを作り出すことに成功するも、得点には至らず。

前半はこのままスコアレスドローで終了し、一進一退の展開が続いた後半戦へと向かいます。前半終了間際の伊藤選手のプレーに、イエローカードが出なくてよかった。

前半終了:日本代表0-0オランダ代表

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