イラン女子代表でプレーしていた2人のサッカー選手が、亡命を宣言してから5ヶ月が経過した6日にオーストラリア国籍を取得したとのことだ。

当該の選手は、ファテーメー・パサンディデーとアテーフェー・ラメザニサデーのふたり。両選手は2026年3月にオーストラリアで開催された女子アジアカップにイラン代表の一員として参加していたが、イラン政府への抗議活動を支持する意思を示すため、試合前の国歌斉唱を拒否した。

その行動によってイランでは「裏切り者」とみなされるようになったことから、彼女らは代表チームを離れることを決め、オーストラリア政府に保護を求めていた。

『Guardian』や『L’Équipe』などによると、2人は8月5日に行われた式典で、正式にオーストラリア国籍を取得したことが発表されたという。その式典には、同国のトニー・バーク内相も出席したという。

ラメザニサデーは国籍取得について、「昨日は、私にとって本当に特別で忘れられない一日でした。オーストラリア国民になれたことを誇りに思い、心から感謝しています」と喜びを語ったとのこと。

パサンディデーも、「私たちが経験してきたことや、直面したあらゆる困難を考えると、この瞬間の意味は言葉では表せません」とコメントしている。

女子アジアカップ期間中、イランの選手団からは2人を含む7人がオーストラリアでの保護を申請したと伝えられている。しかし、その後5人は申請を取り下げてイランへと帰国。パサンディデーとラメザニサデーだけがオーストラリアに残る決断をした。

2人はそれまで、イランのバム・ハトゥーンFCでプレーしていたが、保護を求めた翌週にはオーストラリア女子リーグのブリスベン・ロアーでトレーニングする姿が確認されていた。ただし、亡命後は国籍や登録の関係もあってか公式戦には出場しておらず、現時点で競技選手としての今後は明らかになっていない。

ブリスベン・ロアーも2人の国籍取得を受けて声明を発表した。

「彼女たちが2月以降に経験したことは、多くの人が一生をかけても経験しないほどのものです。この地点までたどり着いた姿を見ることができ、ブリスベン・ロアーの全員が、その過程に少しでも関われたことをうれしく思っています。

クイーンズランドは今や彼女たちの故郷です。いつか再びトレーニングウェアを着て、私たちと練習したいと思うなら、扉はいつでも開かれています」

国歌斉唱を拒否してから約5カ月後、パサンディデとラメザニサデは、オーストラリア国民として新たな生活を始めることになった。このまま彼女らがブリスベン・ロアーで選手としての活動を続けるのかどうかも注目されている。

筆者:石井彰(編集部)
画像提供:Getty Images

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