開幕戦は、開催国であるアンゴラとマリの対戦。決して楽な組とはいえないグループA、アンゴラが初戦を飾れるかどうかは大会の成功を占う上でも大事なものだ。
Angola
Mali
勝利が求められるプレッシャーの中、アンゴラは最高の立ち上がりを見せる。攻守に渡って鈍い動きのマリに対して、試合を支配し、前半37分にジウベルトのフリーキックから、さらに42分にマビナのクロスボールから、フラヴィオがヘディングで得点をあげ、2点のリードを奪ったのである。
アンゴラのフォーメーションは3-5-2。一般的にサイド攻撃に弱いとされ、現在では敬遠されることも多い3バックが効果を発揮したのは、マリのプレーがあまりにもお粗末であったからでもあった。
攻撃ではボールを奪った後に動き出しがなく、カウンターが出来ない。かといって早めに放り込んで高さを生かすわけでもない。ショートパス中心でポゼッションするにも最終ラインの技術レベルが低すぎてミスを連発していた。守備でも、サイドハーフの戻る意識が薄く、マークの受け渡しが稚拙で単純なポジションチェンジに対応できず、最終ラインの手前のエリアが非常に手薄であった。そこでボールをキープされれば最終ラインの位置は下がり、さらに中盤が間延びしてスペースを空ける。マリはまさに悪循環にはまった状態であった。
沈黙したままのマリに対し、アンゴラは後半20分、28分と連続でPKを奪い、リードを4点に広げていった。残り20分を切ってこの差、結果はもうほぼ決まったといっても同然の状況であった。79分にゴールキーパーのカルロスが軽率なファンブルを犯し、セイドゥ・ケイタにゴールを許しても、まだ観客の中にアンゴラの勝利を疑う人はいなかっただろう。
ところが、ストーリーは急展開を迎える。
始まりは88分、マリの左サイドバック、タンブーラのアーリークロスをカヌーテがヘディング、2点差に迫ったことからである。時間がなく、なりふり構ってはいられないマリはどんどんサイドから早めにボールを放り込み、パワープレーを仕掛けたのである。
ロスタイムに入って2分、今度は右サイドから逆方向に抜けたボールを、フリーで飛び出したセイドゥ・ケイタがボレーシュート。一点差に迫る。
そしてその3分後、いつ試合終了の笛が鳴ってもおかしくない時間だった。起点は再びタンブーラ。アーリークロスを入れると、ボールはカヌーテを僅かに越え、逆サイドに詰めていたディアッラがシュート。これはキーパーに弾かれたものの、こぼれ球に途中出場のヤタバレがいち早く反応、ゴールに押し込んだのだ。スコアはこれで4対4。4点差からの嵐のような同点劇であった。
マリの得点すべてがアーリークロスからのもの。自らの強みであるストライカーの高さを生かすこと、そして弱みである連携力を出来るだけ表に出さないこと、これがマリの覚醒の原因であった。同時に、4失点するまでのサッカーが「強みを消し、弱みを出す」ことになっていたかを表していたといえよう。
アンゴラ 4-4 マリ