大会は第8日目。各グループが順調に2戦目を終え、最後に残すはグループDの2試合となる。17:00キックオフで始まった第1試合は、ガボンとチュニジアの対戦。
Gabon
Tunisia
この試合に勝てば、コートジボワール、エジプトに続いて第2節で決勝トーナメント進出が決まるガボン。カメルーン戦での勝利が勢いとなったか、この試合でも立ち上がりから試合を支配した。献身的で組織的な守備から、身体能力に優れるクザン、オーバメヤン、ムルンギのスピードを生かしてカウンターを成功させていく。
チュニジアが劣勢になったのはある意味当然であった。ガボンはチュニジアが第1節で苦戦したザンビアとスタイルが似ている。レポートにも書いたが、彼らは身体能力を活かしたチームが苦手なのだ。事実、最終ラインはガボンのフォワードに手を焼き、特に右サイドバックのベン・ラディアはムルンギのドリブルを止めようがなく、何度もサイドを決定的な形で破られた。
さらに、攻撃面でも相性の悪さが出ていた。チュニジアは俊敏性に優れるドリブラーの突破を生かして崩す戦術を取っているのだが、ガボンがしっかりとマークをしてくるため、スペースが与えられず一対一の勝負に持ち込まれてしまう。そうなれと、パワーとスピードに長けるガボンのディフェンスの方が一枚上手だった。
しかし、ガボンの最終ラインには軽率なミスがいくつか見られ、それをチュニジアが生かす場面もあった。27分にはバックパスをシェルミティが奪って決定的な場面を迎えるなど、チャンスは得られていた。とはいえ、チュニジアのディフェンスが崩された場面は多く、ガボンの優勢であったといえる。おそらくガボンにとっては、ミスは仕方ないリスクとして織り込み済みで、狙い通りだったはずだ。
この展開を変えようと、チュニジアはハーフタイムに2つの修正を加える。1つは、ザンビア戦と同じく、「前線からプレスをかけてミスを誘いカウンターをする」こと。もう1つは「動き出しを早くし、積極的に縦に飛び出すこと」。この作戦が成功し、後半キックオフからはチュニジアに試合の主導権が移ったのである。
ところが、今日もチュニジアにはいい流れが向いてこなかった。なぜなら、作戦が長続きしなかったのだ。15分も過ぎると徐々に運動量が落ち、中盤が間延びし始め、再びガボンにカウンターを許すようになってきたのである。ペースを掴みきる前にチュニジアはペースダウン。結局決定的な場面は作れず仕舞いであった。
そして、最後は結局「前線でボールを奪えれば攻められるチュニジア」「カウンターが出来れば攻撃が出来るガボン」という立場で互角に殴り合い、そして両者ともに決定力を欠き、際どいオフサイドの判定にも泣かされ、得点には至らなかった。
ガボン 0-0 チュニジア

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介