準々決勝は残り2試合。ついにベスト4が決定する。先んじて行われるのは2年前の開幕戦、決勝戦と同じ対戦。カメルーンとエジプトがぶつかる注目のカードだ。
Cameroon
Egypt
カメルーンは、今大会で初めて「悪くない」サッカーをした。エジプトの繋ぐサッカーを潰すため、前線からプレッシャーをかけて試合の主導権を握ったのである。そして26分にコーナーキックからアハメド・ハッサンのミスを誘い、オウンゴールで先制を果たす。
しかしそんな状態のカメルーンにも大きな弱点があった。それは以前から引きずっている最終ラインの拙さだ。ラインを上げることに消極的でコンパクトさを出しにくく、ボールを繋げないため後方からのビルドアップできない。最終ラインの周囲に生まれるスペースをモタエブやジダンにドリブルされると脆さを見せ、危険なボールロストも多かった。
そしてその弱点は37分に失点に結びつく。シェジュのクリアが小さくなり、ハーフウェー付近でアハメド・ハッサンに拾われてバイタルエリアまで侵入を許す。さらにチェックできない間にミドルシュートを打たれ、ゴール左隅に決められたのである。
これはアハメド・ハッサンから見れば、ミスを帳消しにすると共に、代表170試合出場を祝う大きなゴール。エジプトから見れば、中盤を使えない中で得た重要なゴールであった。というのも、状況が手詰まり気味であったからだ。中盤を使えないが、以前モザンビーク戦で失敗した放り込みを安易にやることも出来ない。なので戦術は変更できず、希望は耐えて相手の疲弊を待つのみ。しかし失点して耐えることにも失敗。つまり流れは非常に悪かったのだ。
それを証明するように、試合は後半もカメルーンのペースで進んでいった。前半の良さをさらに生かすために最終ラインを上げ、エジプトを押し込んでいく。ミスから何度かピンチを作ったが、それ以上にチャンスを作り、試合を支配していた。
しかし、カメルーンは攻勢を結果に結びつけることが出来なかった。そしてエジプトも同じく、何度かのカウンターのチャンスで得点を得ることはなかった。お互いに決定力を欠いていたのである。試合は1-1のまま延長戦に突入する。
その決定力不足の状況を潰したのは、一番最初に懸念されていたカメルーンの守備のミスであった。延長戦開始からわずか2分、右サイドでこぼれ球をカバーしたジェレミが、キーパーにバックパスを送る。これが弱いパスになってしまい、カメニに届く前に走りこんできたゲドがシュートに持ち込んだのである。カメニの股の間を抜けたボールがネットを揺らし、スコアは1-2。
さらにその3分後、今度は審判のミスが試合を動かす。左サイドよりの位置からのエジプトのセットプレー、アハメド・ハッサンが強烈なシュートを放ち、カメルーンのキーパー、カメニが弾く。ボールはクロスバーに当たって真下に落ちる。落下地点はゴールラインの上。ルールではラインを完全に超えなければ得点ではないのだが、審判団はこれをゴールと認めてしまったのだ。結果、延長戦に入ってわずか5分でエジプトが2点のリードを広げることとなったのである。
この失点でカメルーンの気持ちは完全に途切れてしまった。足が止まり、エジプトにこの試合で初めてボールを自在に動かされ、中盤を支配されていった。さらに延長後半7分にはシェジューが、自らのミスで奪われたボールを取り返そうと、ゲドに対して後方からタックルを敢行して退場。これで完全に試合は決まった。
カメルーン 1-3 エジプト

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