破綻し、現在管財人の下に置かれている状態(すなわち、補強も放出も給与も、クラブに決める権限がない状態を指す)のポーツマスは6日、債権者を招いて再建案についての話し合いを行った。
もし再建案に対して承認が得られた場合、UHYハッカー・ヤング(※イギリスの監査法人)からの管財人がアレンジメント(会社任意整理手続き)の案を5日以内に示し、さらに話し合いが行われる。2度目の話し合いで、75%以上の債権者(金額ベース)から承認を受けた場合、ポーツマスはその案にしたがって負債を返していくことになる。
問題は、それぞれの債権者にいくら金が返ってくるかだ。だが、サッカー関係の負債に関しては全額返済が保証されている。移籍市場で費やされた1700万ポンド、選手のボーナスと給与に充てられた500万ポンドなどがそれに当てはまる。
2006年1月から2009年7月までオーナーだったアレクサンドル・ガイダマック
現在のポーツマスのオーナー、バルラム・チャンライ氏は昨年の秋にクラブに貸し与えた1420万ポンドを全額取り戻せるだろうが、その前の3人のオーナー――アレクサンドル・ガイダマック、スレイマン・アル=ファヒム、アリ・アル=ファラジ――は非サッカー関係者と同じ条件になる。つまり、金が返ってくるかどうかは不透明だということだ。
ガイダマックのあと、90日間だけオーナーだったアル=ファヒム
だがこれも自業自得だろう。PFA(プロサッカー選手協会)のゴードン・テイラーは、今シーズンすでに4度も給料遅延が起こっているポーツマスの現状を「クラブの実情があまりにも不透明だった」と説明している。
テイラー曰く、「“船頭多くして船山に上る”だよ。あまりにも多くの人がクラブの経営に関わりすぎて、誰にも実情が把握できなくなっていたんだ」というのだから、混乱を引き起こした前オーナー3人の罪は重い。
アル=ファヒムからクラブを買い、なにもしなかったアル=ファラジ
6日現在、ポーツマスの負債は総額1億3800万ポンド(約190億円)に達している。