Japan
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0
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0-3
0-0 |
3
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Colombia
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得点者
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15' 33' 35' |
カジェ カルドナ ムリエル |
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共に大会開幕から2連敗で、グループリーグ敗退が決まっているチーム同士の対戦。とはいえこの大会自体がテストのためのものという部分も大きいため、残りの80分のプレーは未来に繋がるものにしなければならない。そういう意味では、日本に大きな宿題を残してくれた。
この試合の日本は、前の2試合に比べれば比較的良い立ち上がりをしたといえる。中盤を5枚で構成し、無闇に最終ラインを上げてしまうこともなく、無謀なフォアチェックも見られず、実に慎重に自陣でブロックを作って守備をしていた。コロンビアが攻め急いで来ることがなかったため、3ラインをしっかりと組み立て、ボランチを大迫と中盤で挟み込みボールを奪う。序盤はコロンビアの攻撃を許す場面はなく、希望を持たせてくれる試合への入り方であった。
ところが14分、ディフェンダーが処理できるようなボールにキーパーの大谷が飛び出し、しかもその隙をループシュートで狙われるという大ミスを犯すと、突如として日本の守備がガラガラと崩れていった。そしてその直後、混乱のうちに比嘉がポジションを上げた裏のスペースをコルドバに使われ、送られたクロスボールをムリエルにシュートされ、キーパーが弾いたところをカジェに押し込まれてしまう。
ビハインドとなった日本は、ポゼッション能力を高めるためか木暮をボランチに下げ4-2-3-1に変更し、ベンチからは「ラインを上げろ!」と声が飛ぶ。ところが前がかりになり過ぎたところを「また」狙われてしまう結果となったのだ。33分には比嘉がオーバーラップしてボールを失い、イスケルドにスルーパスを通されて空いたスペースをまた使われてしまった。これでカルドナにシュートを決められ2点目を献上。それから間もない35分にも、反撃を狙って2バックになった隙をロングボールで突かれ、ムリエルの突破を許して3点目を奪われてしまった。
さらに後半になると、まだ消耗が少ないまま3点のリードを奪い、強引なドリブルで抜いていけると読んだコロンビアのチームバランスは向上。少人数でも攻撃が可能な方策を編みだされ、それによって守備の人数を増やせると、コロンビアにとって好条件ばかりが揃っていたのである。3点を取り返さなければならないというミッションを持ちなからも、日本は後半ほとんどチャンスらしいチャンスを作らせてもらえず、逆にしばしばドリブル突破を許してカウンターを受けるという状況に陥ってしまい、結局最後まで得点を取り返すことは出来なかった。
こうして日本は大会を3連敗、1得点10失点という散々な結果で終えることとなった。「日本の弱点は個人の力」と言われてしまうことも多いが、むしろ唯一通用したと思えるのが数人の選手の攻撃能力であった。大迫のキープ力とシュートセンス、登里のドリブルはフランスをも苦しめ、コートジボワール戦では阿倍の力が光った。逆に最も問題だったのは、戦った3チーム全てに戦術的な面で敗れていたことだ。つまり2バック状態にならなければチャンスすら作れない攻撃、容易に弱点を見極められてしまう守備、そして相手の強みを封じる術に乏しいという試合への準備不足である。選手にとっても指導者にとっても日本の最大の課題は「考える」力なのかもしれないと思わされた大会であった。
(※同時刻に行われたコートジボワール対フランスについては、明日に記事配信する予定です)