ウルグアイ代表のセバスティアン・アブレウが蹴ったPK。ふわりと浮かせたボールがGKを嘲笑うかの様にネットへ吸い込まれてウルグアイの勝利が決定した。アブレウが蹴る前に、「あいつはやるぞ」とウルグアイチームで話になったとフォルランが明かしているが、彼の蹴ったPKは「パネンカ」と呼ばれている。

「パネンカ」は、元チェコスロバキア代表のアントニーン・パネンカに由来している。パネンカは1976年の欧州選手権でチェコスロバキアを優勝に導いたMF。西ドイツとの間で行われた同欧州選手権の決勝で最後のPKキッカーを務め、西ドイツGKゼップ・マイヤーの裏をかくキックを成功させチェコスロバキアの優勝が決まった。以来、このPKの蹴り方を彼の名を冠して「パネンカ」と呼ばれる様になった。

PKといえば、コースを狙って強く蹴ったり、GKの動きを見て裏をかくシュートが有名だが、パネンカは非常に度胸と技術を必要とするシュート。ギリギリまでGKの動きを見て、GKが飛んだ瞬間にふわりと浮かせて沈めるのだ。このかなりの度胸を必要とするシュートをワールドカップの決勝で決めた選手がいる。フランス代表のジネディーヌ・ジダンだ。2006年のワールドカップ決勝で、ジダンはイタリア代表のジャンルイージ・ブッフォン相手にパネンカを成功させている。

イタリア代表のフランチェスコ・トッティもパネンカの使い手。2000年の欧州選手権、オランダとの準決勝のPK戦でパネンカにトライして成功している。元来ハードシューターであるトッティだけに、GKもパネンカかハードショットか非常に迷う所であろう。しかし、オランダ戦でパネンカを決めて以来、トッティはたびたびパネンカを失敗している(笑)。

最後に紹介したいのは、元フランス代表GKのミカエル・ランドローのパネンカ。「えっ?GKがパネンカ?」と思う所だが、ランドローは本当にパネンカを蹴っている。2004年のフランスのリーグカップの決勝で、ナントのキャプテンだったランドローはキッカーに登場。決まれば優勝という場面でパネンカを敢行。ソショーGK、テディ・リシェールに見破られて見事に失敗(笑)。最終的にソショーにトロフィーをさらわれるという事件に発展している(涙)。

以上、パネンカには様々な歴史があるが、取り上げた事例は下の動画で確認してもらいたい。また、Qolyではランドローの勇気に経緯を表し、「ダメンカ」と呼ばせて頂こうと思う(笑)。ちなみに、完全にどうでもいい話だが、ランドローは「ミカエル・ヴァンサン・アンドレ=マリー・ランドロー」という長いフルネームの選手である。

【パネンカのパネンカ】
【ジダンのパネンカ】
【トッティのパネンカ】
【ランドローのダメンカ(笑)】