後日、坑内に取り残された33人に、チリの元U-23代表フランクリン・ロボス氏が含まれていることが判明。サッカー界から支援の声が挙がる。
炭鉱夫一家に育ち、父親が落盤事故に巻き込まれたこともあるビジャは、「関係者の気持ちはよく分かる。すべてがうまくいくことを願っている」とコメント。
右が33人全員、左はロボス氏個人に宛てられたもの。
救援物資としてプロジェクターが届けられ、作業員たちは50インチの大画面で観戦した。
チリの選手は“Fuerza Mineros"(がんばれ炭鉱作業員)と書かれたシャツを着て入場。試合は惜しくも1-2で敗戦。「ドラえもん」の愛称を持ち(謎)、87分に1点を返したイスラは「勝ちたかった…」と悔しさを滲ませた。(写真:サッカー各国代表ユニフォーム)
ロボス氏の生解説付きである。
選手時代のロボス氏。
その正確なキックから“El Mortero Magico"(魔法の迫撃砲)と呼ばれていた。
元チリ代表の英雄サモラーノが所属していた縁もあり、他にも“Fuerza Mineros"のメッセージや選手のサインが書かれたユニフォーム33枚などが送られた。(詳細:レアル・マドリー公式)
マンチェスター・ユナイテッドの友好大使であり、父親が炭鉱で働いていた同氏が、招待状代わりにビデオメッセージを送付。クラブ関係者も「手厚く歓迎する」と語った。
27人目に救出されたロボス氏。娘から渡されたボールで早速リフティングを披露。
チリ代表チームの定番チャント、“Chi-Chi! Le-Le!, Chi-Chi-Chi Le-Le-Le! Viva Chile!"。
これの最後の部分を“Los mineros de Chile!"(チリの炭鉱夫)に替えた歌は、
何度聞いても心を打たれる。
首都サンティアゴの大統領府で生還を祝う式典が行われた後、62年W杯決勝の舞台ともなったエスタディオ・ナシオナル(日本でいう国立競技場)で、作業員チーム「Esperanza」と、政府当局者と救助隊員の混成チーム「Operacion Rescate」が対戦。
白いユニフォームを着た作業員チームは、ロボス氏のゴールなどで前半に2点のリードを奪う。しかしスタミナ切れもあってか後半に3失点し、2-3の逆転負け。以前大統領が口にした「負けたら炭鉱へ逆戻りだ」という言葉が事実であれば、8月22日からまたやり直しということになるが、そこは作業員たちの笑顔に免じて許してもらいたいところだ。
なお、ロボス氏には古巣コブレサルから指導者のオファーが来ているようだが、さすがにコーチングライセンスが必要となるため、その講習を受けるかどうかは本人次第とのことである。
現役時代を彷彿とさせる見事なフリーキック。
「Operacion Rescate」は全員33番のユニフォームを着用。
作業員チームを惑わすための狡猾な作戦だった?
(筆:Qoly編集部 O)