2010年12月4日(土) - ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム(ジャカルタ/インドネシア)
Thailand
0
0-0
0-0
0
Malaysia
得点者


優勝候補の一つとの前評判を得ていたタイが2試合続けて引き分けに終わり、グループリーグ敗退の危機に晒された。マレーシアを相手に試合を支配しつつもチャンスをことごとく逃し、得点を奪えず。終盤にはMF陣が前に残りすぎてバランスを崩し、疲労困憊のマレーシアに決定的チャンスを作られる有様であった。

とはいえ、タイは戦術的には決して悪くはなかった。今日ボランチに入ったダッサコーン・トングラオは、同じ攻撃的MFだがターサックよりもより長いレンジでチャンスを生み出せる選手。相手の前線からのプレッシャーがかなり甘かったこともあり、彼が前線に決定的なスルーパスを送り続けたことによって、相手を押し込み続けることが可能となり、最終ラインも高い位置をキープした。特に両サイドには決定的なパスが何度も通った。

だが、そんな一方的な展開の中、一向にシュートが枠に飛ばなかった。開幕戦で救世主となったサラユートにも、今日は女神が微笑むことはなかった。終盤には完全に守りを捨てて仕掛け、決定的なチャンスが何度も連続して訪れたが、相手のDFの体を張ったブロックによって防がれてしまった。

タイは開幕から2連続の引き分け。第3節でホスト国のインドネシアに最低引き分け以上の結果が必要となる。もちろん既に決勝トーナメント進出を決めている相手であるだけに勝利の可能性はある。

しかし、タイはこの大会かなり守備に問題がある。監督を勤めているブライアン・ロブソンはイングランド的な中盤フラット型の4-4-2を使用し、中央に攻撃力がある選手2人を起用したがる。しかしその為にバイタルエリアが無防備すぎ、最終ラインが1列並んだまま孤立する。これではチェックとカバーの関係を作れない。そのため、徹底的に押し込みながらも何度も決定機を作られてしまっていた。

インドネシアはおそらくこの大会最強の攻撃力を持つチーム。4年前のエースであるバンバン・パムンカスがベンチに控えているほどだ。しかも母国の大観衆の前で、情けない試合をしようとは思わないだろう。

守備に弱点を持つタイにとって、そんなインドネシアを相手に勝利を収めるのは決して簡単ではないと思われる。


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