2010年12月8日(水) - ミ・ディン・スタジアム(ハノイ/ベトナム)
Viet Nam
1
1-0
0-0
0
Singapore
ンエン・ヴ・フォン
31'
得点者




フィリピンの予想以上の健闘により、優勝候補と目されていたベトナムとシンガポールは第3節、直接対決で決勝トーナメント進出を争うこととなった。両チーム共にグループリーグを突破するには引き分けた上でフィリピンがミャンマーに敗北するというパターンのみで可能性は低く、実質この試合の結果によって左右されると行っていい状態であった。

そしてこの試合をものにしたのは、勝ち点で劣っていた為勝利が必須だったベトナム。激しいプレッシャーと絶え間ない動き出し、ポジションチェンジ、ワイドなパス回しで試合を支配。攻撃に人数がかかっていたためカウンターは受けたが、ベタ引きの相手に対して最終ラインの前に選手を入り込ませてシュートに持ち込んでいった。

そんな攻勢の中、31分に先制点を奪取する。しかし形は相手の攻撃を受けたあとのカウンター。右サイドを破って素早く中央に展開、広大なスペースに長い距離を走ってきたンエン・ヴ・フォンが飛び出しゴールを決めて先制。その後は相手が攻撃意識を増したことで非常にオープンな展開で攻め合い、お互いにチャンスが生み出されていった。

だが67分にはンエン・トロン・ファンがジュマ・アトに対して両足で踏みつけに行く悪質なタックルで2枚目の警告を受けて退場してしまう。ンエン・トロン・ファンはその数分前にも同じことをやっていた為、予想される出来事ではあった。

一人少なくなったことでベトナムは守りに入り、カウンター狙いにシフト。シンガポールのパワープレーに一方的に引かされる内容となったが、相手の攻撃の稚拙さにも助けられて失点を逃れることに成功。1点のリードを守りきり勝利を収め、決勝トーナメントへ駒を進める結果となった。

シンガポールは非常に勿体ない試合となった。まず引き分けでいいという立場からか、試合の立ち上がりが非常に悪かった。ベトナムのスピードを警戒した最終ラインは非常に低い位置をとった。前線4人だけで攻める形はチーム全体を押し上げる力はなく、攻撃を単発に終わらせてしまった。その結果ベトナムに攻撃のリズムを与えてしまった。

また終盤に相手が自爆し一人少なくなった後、焦りからかショートパスのミスが多発。クロスやロングボールも、わざわざ時間をかけてタイミングを測って入れ、時間をかけ、しかも精度が低いという、効果的とは思えないパワープレーになっていた。空中戦に強いジュリッチがいるのだから、単純にもっと放りこみ、チャンスの数を増やすべきだった。これは無駄に相手に余裕を与え、横パスでボールを失う攻撃の形だった。


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