2010年12月16日(木) - ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム(ジャカルタ/インドネシア)
Philippines
0
0-1
0-0
1
Indonesia


得点者
32'
クリスティアン・ゴンサレス


スズキカップ準決勝の1stレグのもう一試合は、優勝候補のインドネシアがフィリピンを破って先勝を果たした。しかしスコアは1-0と最少得点差。フィリピンも終盤はこの結果を納得しながらのプレーで、2ndレグに望みを繋げた。

インドネシアは相手が引いて守備を組み立てること、そしてサイドバックが中に絞ることを利用し、ボールをポゼッションしつつ、一度中を経由して外を使うか、あるいは一発でスピードがある前線に縦のボールを入れて走らせる攻撃を志向。ただ、相手の守備が予想以上に粘り強く、流れの中からはなかなか得点を奪うことが出来なかった。また、P・ヤングハズバンドの調子が非常に良く、カウンターを抑えられなかったことも足を引っ張った。

しかし前半32分、左サイドからフィルマンがアーリークロスを入れると、それにフィリピンのGKエザリッジと左SBジョンソンが被って後逸する致命的なミスを犯す。それをウルグアイ出身の点取り屋クリスティアン・ゴンサレスが抜け目なくゴールに決め、先制点を奪取。これを最後まで守りきった。

1-0というスコアから分かるように、フィリピンも決して悪い内容ではなかったし、結果としても納得はせずともダメージを最低限に留めることには成功したと言える。

フィリピンはいつも通り、前線からはほとんどプレッシャーはかけずリトリートして守備を固めて戦った。一度中央にボールを運ばれるとサイドにスペースを作る弱点も引き続き抱えており、普段よりも積極性が高く最終ラインが上がりがちだったことから、一発で裏を取られる場面も多かった。

しかし球際の粘りでなんとか相手の攻撃を水際で防ぐとともに、前線ではボヤナを囮にサイドに開いてボールを受けるP・ヤングハズバンドの仕掛けからチャンスも作り出していた。大きなミスで失点はしてしまったものの、チームの実力差を考えれば1点差の負けは健闘したと言っていいだろう。

ただ、何が何でも点を取ろうとしてはいなかったことを差し引いても、インドネシアが守りに入った時間に、恐怖を与えるような崩しを作れなかったのは気になるところである。さらに、今日のように左にJ・ヤングハズバンドを置いてしまうと、P・ヤングハズバンドもそちらに流れたがって攻撃が左に偏ってしまう。これはチームの大きな武器であるデル・ロザリオの強烈なロングスローを失ってしまうことを意味する。インドネシアのGKマルクスがハイボールの対応に問題を抱えていることも含めて考えると、フィリピンはセットプレーの量と質を向上させる手段を編み出したいところだ。

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