2010年12月18日(土) - ミ・ディン・スタジアム(ハノイ/ベトナム)
Viet Nam
0
0-0
0-0
0
Malaysia
得点者


ファーストレグを2-0の勝利で終えていたマレーシアが、セカンドレグもまさかの無失点を続け前回王者ベトナムをシャットアウト。決勝進出を決めてみせた。

この結果に結びついたのは、ベトナムの攻撃が応用力を欠いたことによるものが大きい。

ファーストレグのレポートでも書いたのだが、攻めがあまりにも中央にこだわり過ぎている。そのため相手が引いて中央を固めているにも関わらず、わざわざ守備の人数が多いところ、厳しいところにボールを運んで強引に仕掛けてしまう。単純にクロスを入れず、わざわざ相手のほうが数が多いのにドリブルで仕掛けて崩そうとする。無理矢理放つロングシュートはほとんど枠を捉えない。

3トップの中央には高さがあるンエン・ヴェト・タンを配置しているにもかかわらず、単純にハイボールを入れたり、最終ラインとキーパーの間にクロスを入れることがほとんど見られなかった。

事実70分を超えて退場者を出してからは、交代出場で入ってきたンエン・アン・ドゥクにクロスやハイボールを入れ、10人という数的不利の状況の中でチャンスが作れた。確実に3点以上を取らなければいけないこの試合で、なりふり構わずチャンスの数を増やしていこうという姿勢が終盤まで見られなかったのは非常に残念なところ。前回王者の意地のようなものは感じることが出来なかった。

もちろん、マレーシアが非常によくやったともいえる。ボール保持率はほぼ相手に明け渡していたものの、2点のリードがあり点を取らなくてもいい余裕からか、ファーストレグと比べていい意味で肩の力が抜けており、のびのびとプレーをしていた。

基本的には引いているものの、前線の選手も献身的にパスコースを切って守備に貢献し、ボールを奪えばすかさずカウンターを狙う。大きなミスもこれまでに比べて少なく、しっかりと中央を固めて引き出されないようにし、相手の攻撃を弾き続けた。相手の攻めがファーストレグと大きな違いがなかったため、準備してきた戦術通りに終始戦えたのも大きかった。順当に引き分けを勝ち取ったと言えるだろう。

見事に決勝進出を決めたマレーシアは、大会創立から全て参加しながらもまだ優勝の経験はない。この試合のような落ち着いたプレーを見せれば、勝てる可能性も出てくるだろう。初めての栄冠に向けて準備は整った。

【Qolyインタビュー】J2ジェフユナイテッド千葉DF岡庭愁人が母校の先輩からもらった言葉…未知のコンバートを乗り越え「熱くて、強い選手になる」