2011年1月13日(木) - カタールSCスタジアム
1
0-1
1-1
2
アル=ハティブ(PK)

76'

得点者
35'
83'
長谷部
本田圭(PK)

ヨルダンに引き分けたことでこの試合の勝利が必要だった日本。後半に劣勢となり退場者を出す苦しい展開となったが、終盤にPKで勝ち越し、九死に一生を得る結果となった。

前半は日本が優勢に進めることに成功した。前節よりは攻撃陣の動きが良く、ポジションの流動性が増し、その分パスを比較的スムーズに回すことができた。そして35分、カウンターから右サイドを飛び出した本田からクロスが入り、それを香川が受けてシュート。一旦はキーパーに弾かれたが、ゴール前に詰めていた松井が繋ぎ、後方から飛び出してきた長谷部がゴールに決めて先制点を奪取した。

しかし、日本のプレーの向上は試合の優劣を決定付けるほどのものではなかった。むしろ流れを作ったのはシリアが「日本をリスペクトしすぎた」戦い方をしたことにある。

サウジアラビア戦で使用した4-2-3-1とは違い、3ボランチ気味で中盤を厚くした布陣を使用したことで、攻撃の機能性を失っていたのだ。トップのアル=ジノが孤立し、ボールを受けても縦の関係を作ってくれるサポートの選手がいない。だから後方の選手も前線に縦パスを入れられない。結果として裏へ長いボールを一発で送るだけとなり、攻めを単発で終わらせてしまっていた。そのため、日本は前半を優勢に進められた。

しかし後半になると流れが大きく変わった。シリアがアル=ハティブを投入し4-2-3-1に変更してきたことから、攻撃の機能性を改善させてきたからである。チャンスはあったものの押し込まれる場面が増加し、ピンチを迎えることも多くなっていった。

そして70分、日本はミスから致命的なダメージを受けてしまう。

長谷部のバックパスを長友と川島がお見合いし、相手選手に詰められてしまった。辛うじてクリアしたものの距離が出ず相手に拾われ、今野が詰めて流れたボールが、ゴール前に残っていた交代出場のマルキの元へ転がった。堪らず川島が彼を倒してしまい、ペナルティキックを奪われると共にレッドカードで退場となった。さらにアル=ハティブにシュートを決められ、リードを失い絶望的な状態となった。

しかし、日本は幸運にもその中で追加点をあげることに成功する。82分に遠藤が前線にロングボールを入れると、岡崎がボールを収めて粘り、DFに倒される。通常であればファウルを貰えないようなプレーだったが、本田がこれを決めて再びリードを奪い、その後相手の反撃を耐え切って辛くも勝利をあげた。


(筆:Qoly編集部 K)




【Qolyインタビュー】FC琉球の元日本代表DF藤春廣輝が明かす…「伝説のCS浦和戦、あわやOG→劇的決勝弾」「オーバーエイジで出場したリオ五輪」の裏側