2011年1月28日(金) - アル=サッド・スタジアム
2
1-3
1-0
3
ゲインリフ(PK)
ゲインリフ

45'
53'

得点者
18'
28'
39'
ク・ジャチョル
チ・ドンウォン
チ・ドンウォン


3位決定戦は両チームともに疲労が目立つ内容の戦いとなった。結果は前半に大量得点を奪った韓国が、後半の劣勢の状況を何とか凌ぎ切り、辛くも勝利を収めた。

前半を完全に優位に進めた韓国は、日本戦で機能した4-3-3の強みを生かして攻撃。サイド側の3人とチ・ドンウォンが絡んでトライアングルを作り、素早く連携からタッチライン際を攻めていった。得意の前線からのプレッシャーは、前の2試合で240分を戦った疲労や3位決定戦という状況からか抑えめであったが、相手の動きの鈍さを利用して中盤を支配。

18分にはカウンターからバイタルエリアに持ち上がったイ・ヨンレが右のスペースにスルーパスを送り、ク・ジャチョルが飛び出して先制点を獲得。28分にも左サイドから早くショートパスを繋いで右に展開し、大外でフリーになったチ・ドンウォンがネットを揺らす。さらに39分にも、右サイドからのアーリークロスをチ・ドンウォンがヘディングで自身今日2点目となるゴールを決め、大きなリードを奪った。前半終了間際にはPKから一点を返されたが、内容を見れば圧勝と言ってもいい展開であった。

しかし後半はウズベキスタンの猛反撃を受けることとなった。上記の疲労や試合の意味合い、さらには大きなリードを奪ったことからか、韓国の足は一気に止まった。相手が接触的に出てきた事も加わって、最終ラインは下がり、前半に機能したサイドでのトライアングルも、選手同士の距離が大きく離れてしまい崩壊してしまった。そして53分にゲインリフのドリブルでイ・ジョンスが振り切られ2失点目を許してしまう。

修正のために途中で投入されたユン・ビッガラムは中盤と有効な関係を作れず、ソン・フンミンも周りのサポートがなく孤立。カウンターすらもなかなか繰り出せない状態となり、チームは守り切るために攻撃を捨て、5バックへの変更を決断。しかしさらに中盤の支配力を失い、押し込まれるだけの流れとなった。システムや要素は違うが、「前半で優勢、後半から劣勢で5バックで乗り切ろうとしてさらに押しこまれた」というのは皮肉にも先日の日本代表と全く同じである。

しかし日本とは違い、韓国はこの1つのリードを最後まで守り切ることに成功した。向かってきたウズベキスタンも、点が取れるバカエフの不在や終盤の運動量の減少、前線の連携不足が見られミスが多かったからだ。完全に押し込まれながらも、45分を耐え切った格好となった。

ウズベキスタンは後半に頑張りは見せたが、前半の消極的なサッカーで失った3点が大きく伸し掛ってしまった。

のらりくらりとプレーしつつ後方でボールを繋ぎ、中に絞るジェパロフが開けたスペースをアンドレーエフやゲインリフが使い蜂の一刺しを狙うという省エネ戦術で試合に入った。しかし後方でのボールロストが多く、さらに守備の際にアンドレーエフの周囲にサポートがなく、彼が動いた後のスペースを使われた。またアンドレーエフ自身も本来は中盤の選手で、守備力はあまり期待できない。チーム全体の動きのキレがなかったことも合わさって、何度も崩されてゴールを奪われた。

後半には結果的にスタミナを残せたため反撃の機会は得たが、結局取り返せたのは一点どまり。ウズベキスタンの得点力からすれば、試合のペースを握っていたとしても3点を取り返すのはかなり難しいミッションである。なにより前半の足踏みが結果を左右したといえるだろう。


(筆:Qoly編集部 K)




【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介