2011年1月29日(土) - ハリファ・スタジアム
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0-0
0-0
ex.0-1
1


得点者
110'



1月7日から23日間に渡って開催されたアジアカップはついに決勝戦を迎えた。劇的な勝利を重ねてコマを進めてきた我らが日本代表は、オーストラリアに苦戦しながらも延長戦で先制点をあげ、見事に大会史上4度目の優勝を飾った。

日本にとって幸運だったのは、オーストラリアが運動量を保っていた早い時間にパワープレーに来なかったことだ。圧勝したウズベキスタン戦での組み立てのイメージが残っていたのか、一気に蹴るのではなく、素早いショートパスで組み立てようという意識が見えた。その為、日本の最終ラインがズルズルと下げさせられたままになることがなかった。浮き球での競り合いには序盤から苦戦していただけに、相手に切り替えのスピードとキック&ラッシュが無かったことは幸いだったといえる。

それでも前半20分あたりを過ぎると、相手も試合を読みロングボールやハイクロスを増やして来たため、劣勢になる場面は続いた。ただ日本もそれをかなり警戒していた。序盤から無闇な縦パスやシュートからハイボールを放り込まれることを恐れ、飛び出しが少なく縦の意識が乏しかった。しかし攻撃で閉塞感があった分、ハイボールに対しては遠い相手のマークを外さず、失点を防いだ。

後半になると日本は岩政を投入するかしないかで守備が混乱した時間帯がありヒヤヒヤさせられたものの、いざ交代を行ってみると日本のパフォーマンスは上がった。岩政がケイヒル、吉田がキューウェルにマンマークし、左サイドに今野が移る。長友は一列前に上がり、中盤に。

これが日本のバランスを向上させた。ケイヒルとキューウェルに対して放り込まれるロングボールに2枚で対応することができ、他はこぼれ球への対応をすると役割分担が明確になり、攻撃参加できる選手も増加。また運動量に優れる長友は一人でウィルクシャーを仕掛けて翻弄し、攻撃面でも守備面でも相手を苦しめた。何度か守備の連携不足からピンチを迎えたが、そこでは守護神川島のセーブが光り失点を逃れることに成功。一時は劣勢となったものの、運動量が落ちるに従ってバランスの向上は攻め合いの展開を生み出した。

そして延長戦の後半、日本の側に先制点が生まれた。110分、左サイドで組み立て遠藤のパスを受けた長友が、ドリブルでウィルクシャーを振りきってクロスを入れる。カーニーがニアに絞ったことで完全にフリーとなった李忠成が、左足を一閃し鮮やかなボレーシュートをゴールに突き刺し決勝点を奪取。運動量が落ちたオーストラリアに対して、ロングボールでのピンチを恐れて退かず、粘り強くボールを保持して攻めたことが結果につながった。


(筆:Qoly編集部 K)




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