日本代表、長友佑都の所属するインテルの新監督にジャン・ピエロ・ガスペリーニ (Gian Piero Gasperini)氏の就任が決まった。クラブ公式サイトでも発表されている。「前ジェノア監督のガスペリーニってどんな監督?」というユーザの為に彼について紹介したいと思う。

ガスペリーニは選手としてもプロキャリアを持つ監督である。ユヴェントスのプリマヴェーラ出身であり、ポジションはMFであった。当時のユーヴェ・プリマヴェーラには、元イタリア代表のパオロ・ロッシ(1982年ワールドカップ得点王)やユーヴェでキャプテンを務めたDFのセルジオ・ブリオらが在籍していた。1976年トップチームに昇格するも出番はなく、翌シーズンはレッジアーナへレンタル移籍。レンタルから戻るとチームから放出され当時セリエBのパレルモへと移籍した。

当時のユヴェントスの中盤には、当時の22歳でイタリア代表に選出されたばかりのマルコ・タルデッリや、ロメオ・ベネッティ、フランコ・カウジオ、アントネッロ・クックレッドゥ、ジュゼッペ・フリーノなどの代表選手達が在籍。さらには前線にはロベルト・ベッテガ、DFにはガエターノ・シレア、クラウディオ・ジェンティーレ、アントニオ・カブリーニ、GKにはディノ・ゾフが在籍するなど、「イタリア代表」と言っても過言ではないメンバーが揃っており、ガスペリーニに出番が無かった事は致し方のない事だろう。1970年代のユヴェントスの強さは1930年代の5連覇に匹敵する強さであり、10年間で5度のスクデットを獲得している。なお、このユヴェントスを率いていたのは、名将ジョヴァンニ・トラパットーニ。2002年ワールドカップのイタリア代表監督であり、現アイルランド代表監督。ユーヴェ、ミラン、インテルで指揮を執り、国外ではバイエルン、ベンフィカ、レッドブル・ザルツブルグでも優勝を果たしたイタリアで最も成功した監督である。

少々脱線してしまったが、ガスペリーニのキャリアへ話を戻そう。セリエBでプレーしたガスペリーニはパレルモで5年間に128試合に出場。その後もセリエBを主戦場としカヴェーゼ、ピストイーゼを経てペスカーラにたどり着くと、1987年チームの昇格で初めてセリエAの舞台でプレーする機会を得た。9歳でユヴェントスに入団してから20年。29歳で得た初めてのセリエAの舞台であった。セリエAデビュー戦は1987年の9月20日のピサ戦(2-1で勝利)。ペスカーラでは4シーズンで160試合に出場した。その後サレルニターナ、ヴィス・ペーザロでプレーし、1992-93シーズン終了後、35歳で現役を退いた。

指導者としてのキャリアをスタートしたのは1994年から。古巣のユヴェントスのユースチームのコーチに就任。トルネオ・ディ・ヴィアレッジョで優勝を果たしている。1998年にはプリマヴェーラの監督に就任している。監督してのキャリアは2003-04シーズンのクロチーネから。当時セリエC1のクロトーネを就任初年度でセリエBに昇格させる手腕を発揮。クロトーネでは通算3年間在籍。セリエAへの昇格は果たせなかったが才能ある監督としての評価はイタリア中で知れ渡っていた。2006年の夏にジェノアに引き抜かれると、1年でクラブをセリエAへ昇格させた。

セリエA昇格後は残留争いをするチームではなく、欧州出場権を争える様な中堅クラブへジェノアを着実にステップアップさせる。2008-09シーズンにはディエゴ・ミリート、チアゴ・モッタ(共に現インテル)を獲得して、セリエAを5位でフィニッシュ。念願であったヨーロッパカップ戦(UEFAヨーロッパリーグ)出場権の獲得に成功した。チャンピオンズリーグ出場を目的としたい翌2009-10シーズンだったが、チームはミリート、モッタの2枚看板をインテルに売却。ロベルト・アックワフレスカ、ラファエレ・パッラディーノら若手イタリア人ホープを獲得するも奮わず9位でフィニッシュ。ライバルのサンプドリアの後塵を拝した(サンプドリアは4位でチャンピオンズリーグ予備選出場権獲得)。不退転の決意で挑んだ2010-11シーズンだったが、開幕から成績が奮わない。コッパ・イタリアを含めた11試合で1点差ゲームが10試合。僅差で接戦を落とす事が多く、2010年11月8日に解任されてしまった。しかし、インテルのレオナルド監督の退任説が浮上すると早々に後任指揮官に浮上。インテルの指揮官決定には時間を要するかに思われたが、2年契約に合意したのが昨日の事である。

以上がガスペリーニのキャリアである。後編はガスペリーニのサッカーについて紹介したいと思う。

(筆:Qoly編集部 L)

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