しなやかで爆発的な運動能力と緻密な技術を併せ持った黒人FW。豪快なドリブル突破から左足での強烈なシュートが武器だが、同時にそのタイプの選手に往往にして散見する雑な部分が少なく、セットプレーから正確なボールを配給するなど味方の援護役にも回れる攻撃のオールラウンダーである。

彼は本来、五輪代表ではなくU-20代表の選手で、3-4月にかけて行われたCONCACAFU-20選手権で6ゴールを記録し、得点王に輝いている。しかし、キャンベルの並外れた才能に着目し、今年初めに18歳でA代表へ招集したリカルド・ラボルペ監督は、先月行われた北中米No.1を決めるCONCACAFゴールドカップのメンバーにも選出。ジョーカーとして3試合に起用し、キャンベルはグループリーグのキューバ戦で代表初ゴールとなる見事なシュートを決めている。

キャンベルには現在、各国のクラブが獲得に乗り出していると伝えられ、特にリヴァプールやイタリアのクラブが強い関心を示しているという。本人は自身のアイドルである元ブラジル代表のロナウドをお手本にしていると話しているが、世界のメディアはそのプレースタイルから彼をカメルーン代表サミュエル・エトー（インテル）と比較しているようだ。かつてサンタクルスやロナウジーニョがそうだったように、この大会が彼の輝かしいキャリアの始まりになるだろうか。

※NHKの中継では「カンベル」として紹介しています