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2011年9月10日(土) - マタ・レアル(パッソス・デ・フェレイラ)
Pacos Ferreira
2
1-0
1-3
3
Sporting CP
ミシェウ
ミシェウ

5'
55'

得点者
76'
78'
84'
イズマイロフ
エリアス
ファン・ウォルフスウィンケル


開幕3試合を2分け1敗、極めて悪いスタートとなったスポルティング。大きくメンバーを入れ替えて望んだ第4節も、先に2点を失う苦しい展開となった。しかし後半、相手に退場者が出たことによりペースを掴み逆転。ついに今季初勝利をあげた。

試合開始からわずか3分、アルベルト・ロドリゲスのクリアミスをルイ・パトリシオが手でキャッチ。これがバックパスと判定されてセットプレーを与えると、ミシェウに弾丸のようなシュートを決められてしまう。早い時間に失点をする立ち上がりとなった。

内容も決して良くはなかった。序盤は中盤を支配される時間もちらほら。15分あたりからは徐々にペースが上がり、サイドを執拗に狙った攻めを繰り出した。外の選手が中に切れ込んで外を開けてスペースを作り、ゴールに向かえなければサイドを変える。得点には結びつかなかったが、いくつかチャンスも作り出した。

こうして改善を見せたスポルティング。ところが後半の序盤に再び失点を喫してしまう。55分、マヌエウ・ジョゼからのアーリークロスでニアに入り込んできたミシェウを止められず。放たれたヘディングシュートがネットを揺らし、ビハインドが2点に広がった。

スポルティングはハーフタイムに修正を行っており、システムは4-2-3-1に。投入されたイズマイロフがトップ下に入り、中央で動いてボールを収め、よりゴール前での強みを持たせにかかっていた。しかしコンパクトに守るパッソス・フェレイラのブロックの前に、なかなか決め手を見いだせずにいた。

そんな展開の中、スポルティングに幸運が訪れたのは70分。ヌーノ・サントスが入ったばかりのディエゴ・ルビオに対してラフタックルを仕掛け、2枚目の警告を受けて退場したのである。この場面が試合の展開を大きく変えた。

数的不利となったパッソス・フェレイラは見るからに布陣が下がり、一気に中盤にスペースが生まれた。コンパクトな守りに苦しめられていたスポルティングは、一転後方から自由にボールを動かせるようになり、カウンターの恐怖も激減。攻撃に多くの人数が掛かった。

そして76分にルビオのクロスがカッシオに弾かれたところをイズマイロフがサポートし、1点を返す。さらにその2分後、ジョアン・ペレイラからのロングフィードをコエネがクリアし損ね、裏に抜けてきたところをエリアスがシュート。すぐさま同点に追いついた。

加えて84分にはインスーアのアーリークロスに対してイズマイロフが中央で囮となって潰れ、その外側にファン・ウォルフスウィンケルが飛び込んでシュート。わずか8分間で3つのゴールをたたき出し、見事な逆転を果たした。

とはいえ、チームの状態が良いかと言えばそうではない。スポルティングのパシエンシア監督が狙うのはおそらく、ポルトに似たタイプのサッカー。ウイングの強烈なドリブルでDFを歪ませてスペースを作り、中央に残るCFと後方からの飛び出しを生かす。それにパシエンシアらしい前線からのプレスを加えたものを構想として持っていると思われる。

ところがカペルはプレーの幅が狭く、ジェフレンやルビオも一人で数人を引きつけるほどの力はない。ボジノフは自由すぎ、ファン・ウォルフスウィンケルは中央で我慢できるが点を取ること以外の貢献度が極めて低い。スハールスはパサーに留まっておりFWのサポートは今ひとつで、エリアスは退場者が出るまでほとんどチームに絡めなかった。現状ポルトに勝てる要素と言えば、リナウドの素晴らしいプレーとジョアン・ペレイラの攻撃力くらいである。

昨年からほぼメンバーは総入れ替えということもあり、構築に時間が掛かるのは仕方がない。しかしあまりに現実との摺り合わせに手間取ると、どんどんポルトの背中が遠ざかっていくことになろう。

(筆:Qoly編集部 K)


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