5日に行われた高校サッカー選手権準々決勝、初のベスト8に入り、その勢いで国立の舞台を目指した中京大中京。今大会で一気に注目を集めたのは、アーセナルの宮市亮を兄に持つ剛だった。


17分、先制ゴールを豪快に決めた宮市(撮影=茂野聡士)

3回戦の済美戦で2ゴールを挙げ、四日市中央工との対戦でも、17分に相手ボールを奪ってそのまま先制ゴールをゲットした。チームは終了間際に追いつかれPK戦へ。3人目のキッカーを任されたが、ゴールを大きく外してしまった。直後、四中工4人目のキッカーが成功させて敗退が決まると、ピッチに突っ伏して号泣した。

「国立まであと一歩だったんですが・・・悔しいです。先輩からは『自分を責めるな』と言われました」

試合後の会見で消え入りそうな声で語る姿は、まだ高校1年生のあどけなさがあった。

しかし、16歳にして185㎝と恵まれた体躯を持ち、得点シーン以外でもハイボールでの空中戦で存在感を発揮した。兄譲りのスピードも兼備し、サイドに流れてドリブル突破を仕掛ける場面も。相手・四中工の樋口監督をして「彼は本当にサラブレッドですからね」と称賛の言葉も出た。

目標とする選手はイブラヒモヴィッチ。高さとテクニックを兼ね備えた存在として、将来はブルーのユニホームに身を包み、兄のクロスを弟が合わせるシーンがあるかもしれない。


空中戦でも3年生相手にもひるむことはなかった(撮影=茂野聡士)

※選手表記、チーム表記はQoly.jpのデータベースに準拠しています。


筆者名 茂野 聡士
プロフィール 某蹴球雑誌にて修行中の身。グアルディオラ現役時代からバルサに傾倒したせいか、実際プレーすると『捌くだけ』で怖さはないタイプ。バルサの近年の無敵ぶりに、10年前現地で見た暗黒時代も恋しいという一面も。ツイッターは癖のあるつぶやきなので、注意が必要。
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