早いもので2011~2012シーズンもウィンター・ブレイクを迎えシーズンの折り返し地点に来ております。今回はシーズン開幕直後に英国のサッカーサイト『Caughtoffside.com』内で紹介された25人の期待の若手(ティーンエイジャー)のシーズン前半戦の成績と活躍、簡単な選手紹介を行いたいと思います。(※成績は12/28現在、リーグ戦のみ。( )内の数字は先発出場数)。

10. エリック・ラメラ

国籍:アルゼンチン

生年月日:1992/3/4 (19歳)

所属チーム:ローマ(イタリア)

出場試合数/時間:10(9)/758分

得点/アシスト:1/0

13歳のときにスペインのバルセロナからオファーを受けるなど、幼い頃から将来を嘱望されてきたアルゼンチンの攻撃的MF。今シーズンは活躍の場をリーベルからローマに移し、怪我で開幕には間に合わなかったものの、デビュー戦となった10月のパレルモ戦で初先発・初出場を果たすと初ゴールまで記録し鮮烈なセリエAデビューを飾った。推進力の高いドリブル突破や、左足での鋭いフィニッシュは同じアルゼンチン人のサンチャゴ・ソラーリを彷彿させる。しかし一方で、高い個人技ゆえに利己的なプレーもしばしば見られ球離れに大きな課題を残している。後半戦はローマでポジションを確保し、上位を狙うチームをどこまで牽引できるか。

9. ロメル・ルカク

国籍:ベルギー

生年月日:1993/5/13 (18歳)

所属チーム:チェルシー(イングランド)

出場試合数/時間:3(0)/50分

得点/アシスト:0/0

2009-10シーズンのベルギーリーグにおいて16歳という若さでリーグ得点王のタイトルを獲得し注目を集めたベルギーサッカー界の至宝。アフリカにルーツを持っており、規格外の屈強なフィジカルと爆発的なスピードを武器とするストライカーである。今夏に加入したチェルシーでは「ポスト・ドログバ」として期待されており、そのサイズやスピードは既に同僚のドログバを凌いでいるとの声もある。しかし前半戦でわずかな出場時間しか得られなかったのはまだまだプレーに荒削りな部分が見られ、チーム戦術への適応にも課題を残しているためである。後半戦ではアフリカ・ネーションズカップのためFWの軸であるドログバがチームから離脱する。このチャンスに「ポスト・ドログバ」としての足場固めに成功するかが今後の飛躍の鍵となる。

8. ジェルダン・シャキリ

国籍:スイス

生年月日:1992/10/27 (19歳)

所属チーム:バーゼル(スイス)

出場試合数/時間:18(15)/1337分

得点/アシスト:4/2

身長169cm、体重72kgと小兵ながら筋肉質でがっちりとした肉体の、強さと速さを併せ持つ攻撃的MF。縦に抜け出すスピードと抜群のテクニックを武器とするドリブラーで、強烈で正確な左足から多くの得点機を演出する。2009年にはU-21スイス代表に飛び級で招集されると、2010年5月にはウルグアイとの親善試合でA代表にデビューし、そのまま南アフリカワールドカップの本大会のメンバーにまで登録されたシンデレラ・ボーイ。所属するバーゼルではすでにチームに欠かせない選手にまで成長しており、特に今シーズンはチャンピオンズリーグで旋風を巻き起こすチームの大きな原動力となっている。ヨーロッパの多くのクラブがシャキリの動向を注視しており、早ければ来シーズンにもビッグクラブへの移籍を実現させるに違いない。

7. フィル・ジョーンズ

国籍:イングランド

生年月日:1992/2/21 (19歳)

所属チーム:マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)

出場試合数/時間:16(14)/1217分

得点/アシスト:1/2

プレミア・リーグにデビューして3年目を迎え、イングランド中の期待を一身に集める若手DF。身長180cm、体重71kgとCBとしては物足りなさを感じさせる体型ではあるが、それを補って余りあるスピードとハードなタックル、判断力そして抜群の守備センスで、今シーズン加入したマンチェスター・ユナイテッドで前半戦におけるMVP級の活躍を見せた。また、ボールスキルやビルドアップ、敵陣内で見せる積極的なドリブル突破など攻撃面でもチームへの貢献度が高く、ジョーンズは現代サッカーにおいてDFに必要とされる全ての要素を高水準で装備している万能タイプの選手である。長年にわたってディフェンスラインを支えてきたヴィディッチやファーディナンドが、年齢や怪我などにより今シーズンは不安定なパフォーマンスに終始する中、後半戦は新たなディフェンスリーダーとしてどこまで振舞えるかに注目したい。

6. アデム・リャイッチ

国籍:セルビア

生年月日:1991/9/29 (20歳)

所属チーム:フィオレンティーナ(イタリア)

出場試合数/時間:4(1)/119分

得点/アシスト:0/0

セルビアの名門パルチザン・ベオグラードのユースチームで育てられ、順調にトップチームへ昇格すると2009年の1月にはパルチザンの僚友であるゾラン・トシッチと共にマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が発表され、翌年にはチームに合流することがほぼ決まっていた。しかし金銭面や労働ビザの問題からマンチェスター・ユナイテッドへの移籍は見送られ2010年1月にセリエAのフィオレンティーナへと移籍を果たした。パルチザン時代にはその風貌とプレースタイルから「パルチザンのカカ」と呼ばれ若くしてその才能を評価されていたが、今シーズンはここまで先発出場がわずか1試合とその実力を発揮できずにいる。パスセンスと視野の広さは一級品で、中盤の攻撃的なポジションを幅広くカバーすることができるだけに後半戦の活躍に期待したい。

5. オスカル

国籍:ブラジル

生年月日:1991/9/9 (20歳)

所属チーム:インテルナシオナウ(ブラジル)

出場試合数/時間:26(16)/2103分

得点/アシスト:10/7

サンパウロの下部組織出身で現在はインテルナシオナルに所属するブラジル人MF。柔らかいボールタッチと無尽蔵のスタミナを持ったブラジルの“走れる”司令塔。20歳ながら試合を読む力や状況判断に優れ、決定的なパスによるチャンスメイクに加えて得点力も備えていることから「カカ2世」の呼び声も高い逸材である。当面の課題はかねてから指摘されている当たり負けしない強い肉体作り。

4. クリスティアン・エリクセン

国籍:デンマーク

生年月日:1992/2/14 (19歳)

所属チーム:アヤックス(オランダ)

出場試合数/時間:17(17)/1440分

得点/アシスト:4/1

両足を器用に操り、独特のリズムを持ったボールタッチと創造性に富んだ多彩なパスで相手の守備陣を切り裂くアタッカータイプの司令塔。2008年に母国デンマークのオーデンセBKのユースチームからオランダの名門アヤックスに引き抜かれると、2010年には念願のプロデビューを果たした。その後ワールドカップを戦うデンマーク代表のメンバーにも選出され、同年に行われた南アフリカワールドカップでは大会の最年少出場選手となり飛躍のシーズンを過ごした。3年目を迎えた今シーズンはアヤックスに欠かすことのできない絶対的な選手としての地位を確立し、ヨーロッパの舞台でも印象的な活躍を見せチームを牽引している。

3. ネイマール

国籍:ブラジル

生年月日:1992/2/5 (19歳)

所属チーム:サントス(ブラジル)

出場試合数/時間:21(20)/1881分

得点/アシスト:13/6

持ち前の超絶テクニックとドリブルスキルを駆使して多くのチャンスを演出し、自らもゴールを決める天才肌のストライカー。現在この19歳はブラジルの歴史あるサッカー史に間違いなくその名を刻むであろう次世代のスーパースター候補として君臨している。プロデビューする以前から多くの話題をさらっていた底知れぬその才能は試合を重ねるごとに進化を続けており、所属するサントスのみならずブラジル代表ではすでに攻撃の中心を担う存在になっている。以前から指摘されていた球離れの悪さや、スペースを失った際のプレーにも改善が見られさらなる成長を遂げた感がある。今シーズンはレアル・マドリーやバルセロナへの移籍が取り沙汰されたものの、サントスとの契約を2014年まで延長し母国でのワールドカップ終了後までサントスに残留することを決断した。ネイマールの真価が問われるのは2014年のブラジルワールドカップ、そしてヨーロッパへの挑戦を果たしてからだ。

2. ジャック・ウィルシャー

国籍:イングランド

生年月日:1992/1/1 (20歳)

所属チーム:アーセナル(イングランド)

出場試合数/時間:0/0分

得点/アシスト:0/0

昨シーズンに台頭したアーセナルの左利きのプレーメーカー。2001年よりアーセナルのアカデミーに所属し、2008年には16歳の若さでトップチームへの昇格を果たした。そして2008年の9月13日に行われたブラックバーン戦ではセスクがそれまで持っていたクラブの最年少出場記録を16歳と256日という若さで塗り替えデビューを果たしている。ウィルシャーのプレーの完成度は同年代のどの選手よりも高いとされており、優れたプレービジョンとボールスキルによる冷静沈着なボール捌きはバルセロナのシャビを彷彿とさせ、イングランドのMFらしい攻守にわたる献身的なプレーや精神的な強さはスコールズのようだと評される。さらなる経験を積み、守備の技術やゴールに結びつく決定的なプレーが増えれば当代屈指の選手になることは間違いない。今シーズンはバルセロナに移籍したセスクに代わる新たな司令塔としてサポーターの期待を一身に集めていたが、開幕前に右足首を疲労骨折してしまい現在も離脱を余儀なくされている。少しでも早い復帰とウィルシャーの巻き返しに期待したい。

1. マリオ・ゲッツェ

国籍:ドイツ

生年月日:1992/6/3 (19歳)

所属チーム:ドルトムント(ドイツ)

出場試合数/時間:14(13)/1055分

得点/アシスト:5/5

スモールスペースから抜け出す身のこなしが非常に優れており、足に吸い付くようなドリブルから多彩なアタックを繰り出しディフェンスラインを混乱に陥れるドイツ人プレイヤー。若くて将来有望なタレントが揃ったドルトムントにあって、そのポテンシャルの高さはナンバーワンの呼び声が高い。またドイツ代表においても定位置確保は時間の問題とされており、未来のドイツサッカー界を担う巨星になることは間違いないとされている。今シーズンは前半戦不振に喘いだドイツ王者のドルトムントにあって一人気を吐いたプレーを随所に見せ、将来のリーダーとして成長の片鱗を見せた。非常に高度な戦術センスやボールテクニックに疑いの余地はなく、ゴール前での落ち着きは19歳のそれではない。それだけに今後は課題とされる決定力により磨きをかけて名手へと成長を遂げたい。

vol.1とvol.2はこちら⇒

筆者名 Toru Kumon
プロフィール 活きの良い若手、面白い選手に関する情報集めてます。拙い文章ですが読んで下さった方は是非ご感想を。毎週水曜日はサッカー、ときどきウイイレ。
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