2012年2月11日(土) - エスタディオ・デ・マラボ(マラボ)
Ghana
0
0-1
0-1
2
Mali
得点者
23'
80'
ディアバテ
ディアバテ


3位決定戦はグループリーグ第2節の再戦。前回は2-0でガーナが勝利したが、今度はマリが全く逆のスコアに持ち込み、見事リベンジを達成した。

マリは前回と同じく守備をベースにしたシステムであったが、コンセプトが違っていた。今回は3ボランチを組み、「徹底的に外に追い込みクロスを入れさせる」という形。相手のサイドバックに対するマークはどうしても遅れるが、外で持たれる分には問題ない。ガーナはクロスからの攻撃力が乏しいからだ。

ボールはある程度持たれるが、ゴール前で危険な場面は作らせないことに成功。そして前線のシェイク・ディアバテ、ガラ・デンベレの高さとキープ力を生かして押し上げ、セイドゥ・ケイタがゲームを作り反撃。安定した戦い振りを見せた。

23分には先制点も奪取する。右からセイドゥ・ケイタがショートコーナー。意表を突いたプレーでサンバ・ディアキテがフリーとなり、ミドルシュートを放つ。そして、クワラセイが弾いたところをディアバテが押し込み、ネットを揺らした。

その後も、ガーナのシステム変更によって左サイドに移ったジョーダン・アユーのドリブルに苦しめられるなどの場面は見られたが、決して押し込まれ続けることはなく守備の機能性は維持されていた。64分にはヴォーサーがデンベレに対してのキックで退場となり、数的優位も獲得。

そして80分に追加点を奪取。カウンターから左サイドのスペースにタンブーラが飛び出し折り返し。これをディアバテが合わせてゴールに押し込み、追いすがる相手に止めを刺した格好となった。

ガーナは今大会で一番「してやられた」試合だったのではないか。

いつもと比べて非常に最終ラインが高く、攻撃的な意識を見せていたが、サイドアタックの決定率の悪さを利用されて「攻めているように見えて全くチャンスがない」状況に陥った。

機能しない攻めに業を煮やしたステファノヴィッチ監督は、前半のうちにインクームをベンチに下げてプリンス・タゴエを投入。左サイドにジョーダン・アユーを移し、彼がドリブルで中に切れ込むことによってチャンスを強引に作り出そうという選択だった。

そのプレー自体は効果を現したものの、逆に言えば分厚いブロックのところにわざわざ向かって行くという事であり、狙いの形から決定的なチャンスはあまり生み出すことが出来ずに終わった。

またいつも通り決定力も乏しかった。53分には右からのクロスをタゴエが落として途中出場のムンタリがシュートを決めたが、わずかにオフサイドで取り消し。85分にはアンドレ・アユー、88分にはジョーダン・アユーがクロスからフリーでシュートを放つチャンスを得たが、どちらも外している。

ガーナは選手の能力自体は高いものの、弱点がはっきりしている上、前線のバリエーションが少ない。大会後半になればなるほどそれを利用される形が多くなり、勝てなくなった。

ステファノヴィッチ監督の退任は既に決定済み。次に就任することになる指揮官は、2013年ネイションズカップ及びワールドカップ予選に向けて、オプションの増加が至上命題となるだろう。

(筆:Qoly編集部 K)

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